“役所のアプリ”と侮るなかれ、スマホで本人確認できるデジタル庁「デジタル認証アプリ」の完成度
従来は、住民票や、運転免許証で認証してきたが、住民票であれば持っているのが本人かどうか確認する方法はないし、運転免許証の場合は写真の部分の偽造などのリスクがあった。しかし、マイナンバーカードであれば、チップが内蔵されており認証することができるし、顔写真の確認も可能だ。 「マイナンバーカードに個人情報が記載されている」と誤解されがちだが、マイナンバーカードは「本人を認証するためのカード」だ。内部のチップにも、たいした情報は入っていない。記載されているのは、マイナンバーに加えて、氏名、住所、生年月日、性別の4情報、そして顔写真のデジタルデータだけだ(厳密には空き領域に多少の情報は記載できそうだが)。
つまり、マイナンバーカードは本人性を立証するためのカードで、住民票関係の情報は地方自治体に、健康保険証関連の情報は厚生労働省にと、それぞれ別々に保管されている。必要最小限の情報を、別個に管理する仕組みなのだ。 ■今後、口座開設や転売防止などさまざまな場面で活用 今回、アプリとしてローンチされた「デジタル認証アプリ」は、スマートフォン側で、このマイナンバーカードの仕組みを使って本人であることを認証するアプリ。同様のものは従来でも作ることができたが、多大なコストと手間がかかった。今回、アプリ、そしてAPI(ソフトウェアを作る部品のようなもの)が公開されることで、多くの民間企業でも、マイナンバーカードによる認証を低コストで組み込むことができるようになった。
例えば銀行口座開設の際の認証も、従来だと免許証、住民票の2種類以上を送るとか、住所確認のために公共料金の領収書を送らなければならないなど、煩雑かつ何かと不安だが、「デジタル認証アプリ」とマイナンバーカードを使えば、簡単、確実に個人認証を行うことができる。 銀行のウェブサービス、またはアプリで、口座開設の手続きをして、本人認証の部分で、「デジタル認証アプリ」に飛んで、暗証番号を入れて、マイナンバーカードをスマホにかざして(NFCで通信が行われる)、本人認証完了というわけだ。