“役所のアプリ”と侮るなかれ、スマホで本人確認できるデジタル庁「デジタル認証アプリ」の完成度
詳しくは、デザイン系のウェブサイトをご参照いただきたいが、洗練されたデザインで、文字やデザイン要素の色味も統一感がある。 そして、何より動作がスムーズで、どんなデバイスでアクセスしていてもストレスを感じることがない。多くの人がさまざまなデバイスでアクセスする官公庁のサイトは、サクサク動くことが大切だ。災害時など限られた回線に多くの人が殺到する事態も想定されるから、シンプルかつ優れたデザインであることは非常に重要だ。
このデザインシステムと、内包された思想は公表されており、誰もが自由に利用することができる。洗練されたデザインで公共に資する、これこそ官公庁の仕事の手本のようなウェブサイトなのである。 デジタル庁 デザインシステムβ版 現在、デジタル庁の仕事が急速に洗練され、効率的に進んでいるのには理由がある。 デジタル庁は、官公庁にしては珍しく、一般から大量に人材を登用している。旧来の官公庁にデジタルのエキスパート人材がいないから当然だ。一般企業やフリーランスで活躍しているエキスパートエンジニアには、国のデジタル化自体が進んでいないことに課題を感じていた人が多い。
そんな中、優秀なエンジニアたちが、損得抜きで国の仕組みを改善するために続々とデジタル庁に参画している。実際に、我々が普段取材でお会いするような民間企業に勤めていた有名エンジニアが何人もデジタル庁で働いていらっしゃるのを筆者も実態として見ている。 ■マイナンバーカードで「本人であることを確認する」 マイナンバーカードについても、そういう人たちが仕組み作りに動いている。マイナンバーというのは日本国内のすべての人に割り振られている12ケタの番号だ。これは出生届を出して、住民登録を完了した時点で、すでに全国民に割り振られている。
マイナンバーカードは、この番号の持ち主であるということを証明するカードだ。 持っているだけだと、本人かどうか分からないので、顔写真、もしくは暗証番号で二要素目の認証を行う。これをオンライン、オフラインで行うことができるのが、マイナンバーカードの特徴だ。 たとえば、カードをタッチして係員が顔写真を確認する。カードをタッチして暗証番号を入力する。こうした方法で「本人である」という認証を行うことができる。