落語家・蝶花楼桃花、前代未聞の31日連続ネタおろし 千秋楽に「なんとかイケた」
落語家の蝶花楼桃花が7月31日、東京・池袋演芸場で『桃花 三十一夜~ももか さんじゅういちや~』の千秋楽を迎えた。31日間連続のネタおろしを含む全日程異なる演目に挑戦する前代未聞の独演会。千秋楽前に行った会見では「あっという間でした」と感無量の表情を見せた。 【動画】千秋楽前に会見に臨んだ蝶花楼桃花(5分ダイジェスト) 7月1日から始まった前代未聞の独演会は、31日間連続のネタおろしを始め、31人の若手落語家を日替わりゲストに迎えた。同所では初の深夜帯興行で、企画を打ち出した当初は誰もが驚いたという。「落語協会や理事会に報告した時も『31席ネタおろし?』と何回も聞き返されました。先輩方も頑張れと言って下さって。でもそれぐらい大変なことをやろうとしているんだという不安やプレッシャーはありました」 師匠の春風亭小朝は1990年に銀座博品館劇場で30日間連続公演を成功させている。「ツラいという言葉は聞いたことがなかったんですけど、あれはしんどかったと。その言葉が残っていて、私も真打になったら挑戦したいという気持ちがどこかにありました」。前日の公演では楽屋にサプライズ訪問を受けたという。「ネタおろしだけでプレッシャーもあるなかで更にプレッシャーで」と笑いつつ、師匠の優しさを感謝した。 昨年末に企画を打ち出してから約半年かけてネタ習得に稽古を積んだ。1週間に1本覚えるペース。「ネタをストックしないといけませんので、頭のなかはごちゃごちゃみたいな感じでしたが、なんとかイケましたね。自分でも未知の数でした」とにっこり。心身ともに大変な公演であることは予想できるが、乗り切るために「ストレスを絶対に溜めないと決めて、深夜帯の公演ですが終わったらラーメンを食べていました。それと睡眠を取るようにしていました」 31日間走り抜けた。「始まっときは『31日もやるんだ』という自分で設定しておきながら長いと思ったんですけど、きょうが千秋楽ということで、あっという間。もっと疲れていると思ったら意外と元気で、皆さまのおかげで楽しく頑張らせて頂いています」と感無量の表情。 前代未聞の偉業だが、「誰かが塗り替えそうになったら?」という問いには「それなら32とかね。やるしかないですよね」と茶目っ気に笑いつつ「これで無事に終わりなる31夜ですが、今後の取り組みにも注目して下さったら。とにかくきょうやり遂げます」と改めて意気込みを示した。