祖母の家から古い証書が見つかり「換金しておいて」と言われましたが、どうやって払い戻したらよいか分からず…。母は「国債」じゃないかと言っています。
国債の証書を見つけた場合、払い戻しの手続き方法が分からない方は多いのではないでしょうか。特に証書が古い場合、ペーパーレス化が進んでいる現代においては、その手続きが複雑に感じられるかもしれません。そこで本記事では、古い国債の払い戻し方法について紹介します。 ▼実家の物置で「鳳凰」の描かれた100円玉を発見! 昔のお金は今も使える? 高く売れる場合もあるの?
古い国債の払い戻しはできる?
古い国債の払い戻しには、消滅時効という制度が影響します。消滅時効とは、一定の期間が経過すると、法的に権利が消滅してしまう制度です。期間については、権利によって異なります。 例えば、戦前や戦中に発行された国債は、時効が過ぎているため、払い戻しの権利が消滅しており、元本や利子を受け取ることができません。具体的には、戦中に発行された「大東亜戦争割引国庫債券」は、昭和36年12月1日をもって消滅時効が成立し、払い戻しができなくなっています。 また、「賜金国庫債券」も、昭和21年4月1日以降の元本と利子については、法令で無効とされており、払い戻しを受けることはできません。昭和20年4月1日以前の利子も、すでに消滅時効が過ぎているため、同様に払い戻しを受けることは不可能です。 国債の証書を見つけた場合、まずは証書が有効かどうかを確認する必要があります。証書に記載されている満期日や発行日を確認し、その国債がまだ有効であるかどうかを確認しましょう。満期を迎えていない証書や、すでに満期を迎えたが払い戻しをしていない証書がある場合、それぞれ対応が異なるため注意が必要です。
満期を迎えた国債の償還金
満期を迎えた国債の証書がある場合、事前に指定した金融機関で償還金を受け取ることができます。ただ、国債の種類によって受け取り方法が異なることに注意が必要です。 1. 記名者印が必要な国債 事前に届けた印鑑を国債の裏面に押し、その印鑑と引き換えに償還金を受け取ります。 2. 記名者印が不要な国債 運転免許証や保険証などの本人確認書類を提示し、国債と引き換えに償還金を受け取ります。 もし、両方のタイプの国債を同時に償還する場合は、印鑑と本人確認書類の両方が必要です。また、ゆうちょ銀行や郵便局を支払場所に指定している場合、自分の口座に自動的に振り込む手続きもできます。 不明な点がある場合は、支払場所の窓口に相談してください。生活保護を受けている方などは、支払期日前に償還できる場合もあるため、市区町村に問い合わせるとよいでしょう。