年金なんて増えても意味なかったな…年金「月36万円」を受け取る71歳・男性、「年金の繰下げ受給」を大後悔しているワケ
年金だけでは暮らせない……多くの人が知っている事実ではありますが、「年金の繰下げ受給」を利用したら受給額は増え、年金だけで暮らせるようになるのも夢ではありません。しかし、世の中メリットだけ、ということはないようです。 ▼【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
統計に見る老後の収支…「支出>収入」となる現実
高齢者夫婦の1ヵ月の支出は、平均25万円ほど。それに対して年金は、基礎年金と厚生年金を受給する人で平均14万3,973円。65歳以上の男性に限ると平均16万7,388円、女性で平均10万9,165円です。 【65歳以上・ともに無職、夫婦のみの世帯の1ヵ月の支出】 ■消費支出…25万0,959円 (内訳) 食料…7万2,930円 住居…1万6,827円 光熱・水道…2万2,422円 家具・家事用品…1万0,477円 被服及び履物…5,159円 保健医療…1万6,879円 交通・通信…3万0,729円 教育…5円 教養娯楽…2万4,690円 その他の消費支出…5万0,839円 出所:総務省『家計調査 家計収支編 2023年平均』 夫婦共働きだとしても、月27.6万円。年金の手取り額は額面の85~90%といわれているので、23.4万~24.8万円となり、平均的な支出は年金だけでは賄えないというのが現状です。 生活費として足りない分はどうすればいいのか――。いくつかの選択肢がありますが、そのひとつが「年金の繰下げ受給」。原則65歳で受け取り開始となる老齢年金を66~75歳(昭和27年4月1日以前生まれの人は上限年齢は70歳)の希望するタイミングに遅らせることで、年金の受取額を増やすことのできる制度です。年金の受取額は、1ヵ月遅らせるごとに0.7%ずつ増えていき、最大10年遅らせたら84パパーセント増。ほぼ2倍になります。 毎年、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」にも繰下げ受給に言及。つまり国としても、大いにおすすめしたい制度といえるでしょう。実際に繰下げ受給を利用している人は、厚生年金受給者で37万4,481万人。全体の1.3%であるものの、この5年間の割合をみていくと、2018年0.7%→2019年0.8%→2020年1.0%→2021年1.2%→2021年1.3%と、着実に増えています。
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