水の惑星(10月13日)
9月中旬にベトナムを訪れた。前の週にはベトナム北部をスーパー台風が通過し、土砂崩れや洪水など大きな被害をもたらした。ハノイ市内にもいまだその爪痕がみられた。我が国でも台風などで各地に大きな被害が出ている。地球規模の異常気象は広がっていると思わざるを得ない。風水害防止は大きな課題だが、我々は水なしでは生きていけない。地球はその表面の3分の2が水で覆われている。主に海水として存在するが、淡水も様々な形で我々の生活に関わっている。思いつくままに調べてみた。 地球上の水の総量は、約14億立方キロメートルと推定されている。そのうち、97・5%が海水で、残り2・5%が淡水である。地球上の淡水は、海、湖、川などの水が太陽の熱で蒸発して作られ、まず水蒸気として大気中に保持される。この水蒸気は冷たい空気に触れることで凝結し雲を形成するが、雨や雪、霰[あられ]などとして地表に戻る。雨や雪解け水は川や湖に流れ込み、一部は地面に染み込んで地下水となる。これらの過程は水循環と呼ばれることもある。
地下水などを除いて地球上で最も淡水を蓄えている湖はロシアのバイカル湖で、約2万3600立方キロメートルの水を持ち、実に地球上の淡水の約17%を占めるという。日本最大の湖、琵琶湖は27・5立方キロメートル、猪苗代湖は7・6立方キロメートルの淡水を蓄えている。バイカル湖の規模と比べるとわずかであるが、地域の水資源としては重要な役割を果たしている。ちなみに大型の台風が降らせる雨の総量は、しばしば数十立方キロメートルに達するという。琵琶湖という巨大な器の中の水をひっくり返すイメージだろうか。 言うまでもなく水は人間など生物の体内にも含まれており、地球上の総量はおおよそ1100立方キロメートルと推定されている。森林や草地は多くの水分を保持しており、陸上動物や水生生物も体内に大量の水分を持つ。人間を含む多くの動物は体重の60~70%が水分で構成されており、水は細胞活動や代謝において欠かせない存在である。