「自分がここでピリオドかなと思い、去年から単身ニューヨークへ…」森山良子76歳の“試練”の乗り越え方
「神様! また私に試練をくださるんですけえ!!」
森山 年齢って関係ないと思うの。精神年齢って変わらないじゃない。だから、肉体が衰えるのは仕方なくても、年のせいで何かを諦めるとか、そんなのはもったいないと思ってる。 野宮 だからこそ、ニューヨークでジャズを勉強して。 森山 結局、大雑把な性格だからなんです。悲しいこと、つらいこと、いろんなことがあったけれど、私はそのたびにキッと天を睨むのね。「神様! また私に試練をくださるんですけえ!!」(笑)。これは誰のせいでもない。「試練だ」と受け止めた方が楽なんです。そして、試練が去ったら忘れる。「ああ、そんなことあったっけ?」 渡辺 お肌がきれいだなとか、お洋服がかわいいなとか、良子さんを見てるとほんと、見習わなくちゃと思うところはいっぱいあるけれど、いちばん大切なのはそのマインドですよね。 森山 年を取らない人はいないんだから。日本人は人の目を気にしがちだけど、そんなの気にしない! って思えば大丈夫。仕事もそう。「もうやめたほうがいい」って言われても私は抵抗する。そのくらいの厚かましさがあっていいと思う。
1月に“喜寿”を迎える森山さん
野宮 年取っていいことって、その厚かましさかも。 松本 あれ? 良子さんってお幾つでしたっけ? お歳を聞くのは失礼ですが。 森山 いまは76。1月になると7が重なります。 女史会 見えないっ!! 森山 これを、子供たちが気づいてるかどうか。そういうの、みんな無頓着。「今日は母の日ですけどー」って言うと、「知ってるよー」って電話置かれちゃう。「誕生日なんですけどー」って言っても、「勝手に一人で歌って、お酒飲んで、うまいもん食べてるんでしょー」って。だから、私が77になることを知ってるのかなあ。ちょっと心配。 松本 小木さんに伝えておくと覚えててくれるかも。 渡辺 年中シラフだしね。 森山 そうね、小木にだけ言っとこうかしら。「喜寿って知ってる?」 ●「私は絶対に変わらない!」と泣いた19歳の頃の気持ち、手芸に集中して“茹でアスパラ”が“焼きアスパラ”になってしまったエピソード、仕事と家庭の両立の苦労や、小木家との10年以上にわたる二世帯同居など、座談会の全文は 『週刊文春WOMAN2025創刊6周年記念号』 でお読みいただけます。 文:辛島いづみ 写真:鈴木七絵 ヘアメイク:三上津香沙(渡辺さん) ヘアメイク:小野明美 スタイリング:内野陽文 衣装協力:nude vintage&closet(以上、森山さん) もりやまりょうこ/1948年東京都生まれ。1967年「この広い野原いっぱい」で歌手デビュー。ヒット曲に「禁じられた恋」「涙そうそう」「さとうきび畑」「あなたが好きで」など。2008年紫綬褒章受章。ラジオ「オールナイトニッポン MUSIC10」月曜レギュラーパーソナリティー。大江千里プロデュースによる N.Y.録音のオリジナルアルバム『Life Is Beautiful』が発売中。 のみやまき/1960年北海道生まれ。ピチカート・ファイヴのヴォーカリストとして90年代渋谷系ムーブメントを起こす。2025年3月に恒例の東阪ビルボードライヴツアー開催。 まつもとたかみ/1965年大阪府生まれ。80年代後半、ソニーなどの名CMでCM女王と呼ばれる。本人がプロデュースした更年期世代の女性に嬉しいアイデア満載の『大人の女史会』×「natiaral」のコラボアパレルが発売中。 わたなべまりな/1970年東京都生まれ。86年、おニャン子クラブでデビュー。翌年の解散後も歌手、タレントとして活躍。2000年代には台湾旅、ピラティスのブームの火付け役にも。 『大人の女史会』に参加しませんか? この会で話してほしいテーマ、お悩みを woman@bunshun.co.jp (件名を「大人の女史会」に)もしくは〒102-8008 東京都千代田区紀尾井町3-23「週刊文春WOMAN」編集部「大人の女史会」係までお寄せください。匿名でも構いませんが、「年齢・性別・職業・配偶者の有無」をお書き添えください。
辛島 いづみ/週刊文春WOMAN 2025創刊6周年記念号