朝ドラ“恋のスポーツ対決”を振り返る 『おむすび』は菅生新樹×佐野勇斗の野球対決に?
『なつぞら』は“スキー対決”、『ちむどんどん』では“角力対決”も
思い返せば、近年の朝ドラでも“恋のスポーツ対決”というものはいくつか描かれ、そのたびに盛り上がりを見せてきた。 たとえば、『なつぞら』(2019年度前期)では、ヒロイン・なつ(広瀬すず)をめぐって幼なじみみの天陽(吉沢亮)と、兄妹のように育った照男(清原翔)のスキー対決が描かれ、『ちむどんどん』(2022年度前期)では、ヒロインの妹である歌子(上白石萌歌)をめぐり、和彦(宮沢氷魚)と智(前田公輝)というふたりの男性が沖縄角力で対決した。どちらの対決の背景にも複雑な事情があるのだが、ここでは割愛しておこう。とにかく、“恋のスポーツ対決”が起きれば、作品には大きな盛り上がりが生まれるのだ。 いまのところ陽太と翔也が結をめぐって対立するような瞬間は描かれていない。しかし互いに高校球児ということもあり、さすがに意識はしているのだろうが。それにふたりはすでに一度、試合をしている。そのときにも応援席に結の姿があったが、いまとは違う結だった。正直なところ、積極的にギャルとして生きていく結の姿は想像がつかない。これまで自分のことよりも他人のことばかり彼女が気にしてきたのは誰もが知るとおりである。だがここから、彼女の人生がはじまる。私たちは新しい結に出会うことになるのだろう。“恋の野球対決”は、これから続いていく『おむすび』の世界や結の人生において、“ハイライト”となるのではないだろうか。
折田侑駿