「日本の原発再稼働に対する住民の声」を米紙が大きく報じる エネルギー需要が高まるも、地震大国で「考えたくもない」
石破内閣が直面する問題
選挙での敗北を受け、石破内閣は衆議院で過半数に満たない少数与党内閣となった。野党第一党を獲得した立憲民主党は、国内における新たな原子炉開発に強く反対している。 政府は今年度内に「エネルギー基本計画」を改定し、それが2040年までに達成すべきこの国のエネルギーミックス(電力構成)を決定する。つまり、新政権は妥協点を見つけ出すのがほとんど不可能とされてきた、2つの根深い問題に直面することになるのだ。 クリーンかつ安価なエネルギーとみなされている原子力は、化石燃料に大きく依存し、頻繁に地震と津波が起こるリスクを抱えたこの日本にとって、最善の選択肢なのだろうか? また、仮に原子力が最善だとして、いまだ原発事故の記憶が強く残っている国民に対し、政府指導者たちはいかにして原発の重要性をアピールできるのだろうか?
志賀原発の1年
福島の事故によって、近くは台湾から果てはドイツまで、さまざまな地域の原発推進策が頓挫した。しかし、日本ほど切なる恐怖を体験した国はない。2011年以前には、国内電力生産のおよそ30%が原子力によって賄われていたが、2023年はわずか5%だった。 現在、日本が直面するジレンマを最も明確に反映する地域が、能登半島沿岸の志賀町だ。 地元の電力会社である北陸電力はこの10年、志賀町の中心に位置する志賀原発を再稼働させようと奮闘してきた。日本では現在11基の原子炉が運転中で、23基が停止している。志賀町には、停止中の原子炉が2つある。2023年末の時点では、志賀原発の再稼働は目前と思われていた。 2023年12月、志賀町の住民たちが新町長に選んだのは、早急な原発の再稼働を主張する人物だった。北陸電力は2026年1月を目標に再稼働を計画していた。 しかし、町長選挙から1週間後、能登を襲った地震は志賀町の道路や建物を破壊し、数千人の住民を路頭に迷わせることとなった。地震によって、原発内での油漏れや部品の破損、脱落なども発生した。
River Akira Davis and Hisako Ueno