他人の目を気にしすぎる人の3つの特徴とは?臨床心理士が教える、「人目が気にならなくなる」対処法
「みんなに変だと思われないかな」「みんなとずれてしまったらどうしよう」といった不安を感じたことはありませんか?協調性を大事にする日本人は、常に心のどこかで「他人の目」を気にしています。しかし、気にしすぎると、日常生活や心身にトラブルをもたらすことも。今回は他人の目を気にしすぎる人の特徴と気にしすぎない方法をご紹介します。 〈写真〉他人の目を気にしすぎる人の3つの特徴とは?臨床心理士が教える、「人目が気にならなくなる」対処法 ■他人の目を気にしすぎる人の3つの特徴 他人の目を気にしすぎる人には、次の3つの特徴があります。 ■■感受性が高い人 感受性とは外からの刺激によって心が動かされやすい状態のこと。感受性が高い人は、人の視線・表情・行動などに反応しやすく、「ちらっと見た」「少し眉をひそめた」「数秒間無言だった」などの些細なサインから「自分が悪く思われているのではないか」と不安になってしまうことがあります。 ■■完璧主義な人 完璧主義の人は、「こうあるべき」という基準を非常に高く設定します。人間関係も例外ではなく「すべての人から良い評価を得なければいけない」「誰にもミスを見せてはいけない」など非現実な目標を掲げます。 その結果、いつでも誰の前でも100点の自分を見せなければならず、常に自分を評価する視線を気にし続けることになります。万が一、100点でない自分を見せてしまうと、すべての人が自分をバカにしているように感じ、他人の目を恐れることになります。 ■■つらい人間関係を経験してきた人 虐待やいじめなど、他人に対する不信や恐怖を抱く経験をしてきた人は、他人を「自分を傷つける存在」「自分を攻撃する存在」と捉えます。 そのため、どれだけ良い人であっても、「どうせ後で攻撃するのだろう」と裏切られる可能性を考え、その言動を気にし続けます。 ■他人の目を気にしすぎない方法 ここからは他人の目を気にしすぎないための3つの方法をご紹介します。 ■■一日一恥 「一日一恥」とは、1日に1回恥をかく体験をして、「思ったより悪い結果にはならない」ことを実際に確かめる方法です。 例えば、Tシャツの前後が逆の状態で1日過ごし、周囲の人が気にしないことを確かめると「他人の目はそこまで怖くない」と気づくきっかけになります。 自分が思いつく「恥」をピックアップし、恥ずかしさが低いものからチャレンジしてみると良いでしょう。 【例】 ・小声で歌いながら歩く ・髪が濡れた状態で出かける ・道行く人に「こんにちは」と言う ・左右違う靴下を履く ■■注意シフトトレーニング 「注意シフトトレーニング」とは、注意を柔軟にコントロールするためのトレーニングです。「〇〇と思われたらどうしよう」といった、自分の不安や恐怖にばかり注目せず、外に注意を向けることで、自分への過剰な意識を和らげることを目指します。手順は以下の通りです。 1.他人のいない場所で、注意を外に向ける練習をする 【例】部屋にあるモノを「ソファ、机、窓…」のように1つずつ見て確認する / 聞こえてくる音(時計、車、鳥のさえずり…など)に注意を向ける 2.注意を外に集中できるようになったら、自分の内と外に交互に注意を向ける 【例】少しの間、悩み事を思い返す(自分の内に注意を向ける) → そのあと外に注意を向ける 3.他人と過ごす場所で、注意を外に向ける練習をします。 【例】相手の服装や顔のつくりなどに注意を向けながら過ごす ■■コラム法 「コラム法」とは、自分を苦しめる考えをキャッチし、ほかの考え方を取り入れることで和らげていく方法です。認知行動療法と呼ばれる心理療法の技法のひとつです。 次の手順で取り組んでみましょう。 1.出来事を書く 【例】上司が自分を見た 2.浮かんだ思考を書く 【例】「何か気に障ることをしてしまったのかな」 3.その時の感情を書き、感情の強さを数字(100%中)で示す 【例】不安 80%、恐怖 50% 4.浮かんだ思考が正しい根拠を示す 【例】昨日も同じようににらまれて怒られた 5.浮かんだ思考が間違っている根拠を示す 【例】今日は怒られることに心当たりがない、ほんの数秒しか見られていない 6.4と5をもとに、2とは異なる考えを浮かべてみる 【例】「上司はたまたまこちらを見ただけかもしれない」 「別の人を見ていたのかもしれない」 7.別の考えを浮かべたときの感情と強さを示す 【例】不安 50%、恐怖 20% 誤解されやすいことですが、コラム法は、無理やりポジティブに考える方法ではありません。自分を苦しめるネガティブな思考以外にも、別の考え方をたくさん思い浮かべることで心に余裕を作り出していきます。 なかなか別の考え方が思いつかない方は、家族や友人、アニメやドラマのキャラクターなどの考え方を「〇〇ならどう言うかな?」とイメージしてみましょう。 ライター/佐藤セイ(臨床心理士)
佐藤セイ