《国民の皆様へ》20年後、消化器外科医が半減します...「胃がんや大腸がんなどの《命にかかわる手術》が受けられなくなる」というヤバすぎる現実
胃がんや大腸がんの手術ができなくなる?
消化器外科医の主要な業務として、食道や胃、大腸などの消化管や肝臓、胆道、膵臓などの腹部臓器のがん手術がある。 日本ではこれらのがんに年間40万人以上が罹患しており、約12万件以上の手術が行われている。 この外科手術に加えて、手術前の検査や説明、術後患者の全身管理や合併症の対応、救急患者の受け入れや緊急手術、退院後の外来診療や抗がん剤の薬物療法、がん患者の緩和ケアなど、消化器外科医の業務は多岐にわたる。 また、患者の生命に直結する疾患も多いため、多くの人手と労力が必要となる。特に地方の病院では、抗がん剤の治療や緩和ケアを専門とする医師が不足しているため、消化器外科医が対応せざるを得ないことも珍しくないという。 消化器外科を志望する医師が減ることで、忙しさにも拍車がかかるという悪循環。この先、消化器外科医不足によって起こりうる問題点について、中山氏が説明する。 「真っ先に問題となるのは、胃がんや大腸がんの手術がすぐ行なうことができなくなります。また、腹膜炎や腸閉塞などの緊急度の高い疾患についても、夜間の救急車の受け入れが困難となり、即対応できる病院が少なくなるでしょう。 それだけでなく、がん患者さんの中で1カ月以内に手術すればいいケースが、人手不足のせいで2カ月、3カ月待ちになるなど待機期間が延長されることも考えられます」
一人前になるには10年以上
最近の消化器外科手術では、患者の負担を軽減するために内視鏡手術やロボット手術も導入され、より高度化しつつある。 消化器外科医には、このような高度な診療の提供に加えて、他の科に比べても特に大変な面があるという。 「一人前になるための時間で言うと、他の診療科は大体5、6年だとすると消化器外科は最低でも10年はかかる。習得すべき技術も多くて、ハードルは少し高いかもしれません。それでも昔はやりがいがあると考える医学生や研修医は一定数いました。ただ、徐々に医師の意識や社会全体の価値観が変わってきて、自分のプライベートを重視する医師が増えてきたのだと思います」(中山氏)
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