アメリカ唯一の合法風俗で働く女性たち…「VIPルームで踊れば3000ドル」「ベッド下の鉄格子」の衝撃日常
ネバダ州にたたずむ合法風俗「Chicken Ranch」
2011年に出版された著『Prostitution in the Digital Age(デジネル世代の売春)』によると、ネバダ州における合法売春ビジネスの年間収益は7500万ドルに及ぶそうだ。 【写真】アメリカ唯一の合法風俗で働く女性たち 一方、同州の経済をギャンブルと観光業によって支えるラスベガスで非合法に肉体を売る行為の一年の総額は、およそ500万ドルとなるという。 デジタル世代とは、コンピューターやネットを通じて簡単に情報を入手できる層を指す。刊行から13年もの月日が流れたが、セックス産業では同数字が今日も実しやかに流布している。 ネバダ州内にある17の郡のうち10箇所で、売春宿の経営が認められている。Ranchと呼ばれる売春宿の経営が合法とされているのは、全米50州のうちネバダだけだ。現在、19のRanchが営業中である。 ラスベガスのハリー・リード国際空港から西におよそ97kmの地に建つ「Chicken Ranch」。筆者が当地で娼婦たちを定期的に取材するようになって、2年半。土曜日の午前10時に宿のブザーを押すと、今回も執行役員の男性が笑顔で迎えてくれた。 新型コロナウィルス感染拡大の影響を配慮したネバダ州は、2020年3月中旬から2021年4月末日まで、全てのRanchに対して営業停止を宣告した。が、再開後の需要は高く、2023年度は前年度の320%増で、1976年のオープン以来最高の売り上げを記録。セカンドベストが2022年、そして今年も昨年度と同じくらいの売り上げだ、と執行役員は胸を張った。 「私が現場を仕切るようになってから、42名の女性がスタンバイするようになった。それまでは17名だったんだよ。ここで働くことを希望して応募してくる子との面談も、1週間に20名はこなしている。そのうち契約するのは多くて2名だけど」 そう語ると彼は、増築中の棟に筆者を案内した。
VIPのアブノーマルな要望にも応じる
「1回の訪問で、2500ドル以上使ってくれるお客さんには、こうしたキャンピングカーや、バンガローで楽しんでもらいたい。言ってみればVIPだ。車椅子で訪れる方々のためにと、手すりも用意した。入口にも段差が無いでしょ。これから、きちんとしたスロープを築くんだ」 一つ一つの部屋のドアを開けながら、51歳の執行役員は説明した。 「今、このRanchにはメインの建物に14、離れに6と、計20部屋ある。48年前に造って、増築したり改築したり。老朽化した建物を壊して、新たに増築する。11月から工事に入るよ」 説明しながら開けた扉の部屋には、キングサイズのベッドがあった。 「最近は、男女で遊びに来て“3人目”を指名するカップルも多い。だから、この大きさのベッドが必要になるんだ」 驚く筆者が案内された次の部屋はSM専用で、何種類ものムチが垂れ下がっている。ベッドの下に鉄格子があり、「ここに男性が閉じ込められるんだよ」と彼が指を差す。 様々なニーズに応じるからこそ、潤っているようだ。