明大の2年生SO伊藤龍之介は、今春卒業したSO耕太郎の弟 U20日本代表活動で成長し、レギュラー争いを一歩リード
兄の影響でラグビー開始 花園は高2で準優勝
そんな伊藤は、両親はバスケットボールをやっておりラグビー経験者ではなかったが、3歳差の兄・耕太郎の影響で、3歳から神奈川・藤沢ラグビースクールで競技を始めた。小さい頃から10番でプレーしていた。 土日はスクールに通いながら、元日本代表の川合レオさんが運営する「ラグビーパーク」にも週2回通い、パスやキックのスキルアップにいそしんだ。スクールの同期には明治大同期のCTB中瀬亮誠(桐蔭学園)や青山学院大のHO中山健太郎(東福岡)らがいた。なお、高校2年生の妹・ちひろも関東学院六浦でラグビーをしている。 高校進学にあたっては、神奈川県内の強豪である桐蔭学園や東福岡(福岡)、報徳学園(兵庫)も考えたが、兄と同じ國學院栃木を選択。「ウェートルームも広かったし、人工芝だったし、寮生活をしたい気持ちもありました。兄からもすごく良い雰囲気だと聞いていました」 伊藤の入学と同時に、監督の次男であり早大ラグビー部出身の吉岡航太郎氏が教師として赴任し、コーチに就いた。「航太郎コーチは若くて練習にもいっしょに入ることができますし、早稲田大でやっていた練習などもいろいろやってくれました」と振り返った。 高校1年生から10番となった伊藤は、〝之介コンビ〟と呼ばれたFB青栁潤之介(現・帝京大2年)とともにチームを引っ張り、高校2年時の「花園」こと全国高校ラグビー大会では、栃木県勢初の決勝進出を果たし、東海大大阪仰星に7-22と敗れたものの、準優勝を飾った。優勝を目指した高校3年時は、またも東海大大阪仰星に3回戦で21-31と敗れ、悔し涙をのんだ。 「高校2年の時は決勝まで行けてビックリしました! やっぱり(東海大大阪)仰星は上手だったという感じでしたね。高校3年時も負けたので、本当に仰星には1度も勝てませんでした……」
昨季1年間は兄と切磋琢磨「学ぶこと多かった」
大学も尊敬する兄・耕太郎と同じ明治大に進学した。「兄からは、明治に来るなとか来いとか別に言われていませんでした。早稲田大でプレーすることも考えていたんですが、明治大も良い雰囲気で、國學院栃木の先輩もいるしうまい選手が多かったので、レベルアップできるかなと思いました」 1年間だけだったが、昨季は兄・耕太郎と一緒に汗を流した。ポジションは兄も同じ10番。伊藤は「大学に入るまではすれ違いで、実家で少し会うくらいでしたが、寮にいっしょに住むようになってからはすごく話すようになり、最近では仲が良いです。兄から学ぶこともすごく多かったし、身近に目標がいる良い環境でした」と目を細めた。 将来は、「10番を窮めていきたい」「兄同様にリーグワンでプレーしたい」と話す。目標とする選手は、元オールブラックスで、東芝ブレイブルーパス東京を昨季14年ぶりの優勝に導いたSOリッチー・モウンガだ。