これが新時代の「2人乗りスポーツカー」 MG新型サイバースター、約1075万円で欧州発売
MGから久々のスポーツカー登場
英国発祥の自動車ブランドであるMGは、新型スポーツカー「サイバースター」の受注を開始した。英国価格は5万4995ポンド(約1075万円)から。 【写真】英国発祥「スポーツカーブランド」ついに復活?【新型MGサイバースターを写真で見る】 (21枚) MGは現在、中国の上海汽車(SAIC)傘下にあり、中国および欧州でさまざまな電動モデルを販売している。スポーツカーの投入は、1995年のMG F以来となる。 新型サイバースターは77kWhのバッテリーを搭載するEVで、出力や航続距離は仕様によって異なる。英国では「トロフィー」と「GT」という2つのグレードが用意されている。 トロフィーは後輪駆動で最高出力340ps、最大トルク48.3kg-m、0-100km/h加速5.0秒、航続距離510km。GTは四輪駆動となり、最高出力510ps、最大トルク74.0kg-m、0-100km/h加速はわずか3.2秒、航続距離は444kmとされる。 最大150kWの急速充電に対応し、38分で10~80%の充電が可能だ。 全車、カスタマイズ可能なドライビングモード、6ウェイ調整機能付きシート、ステアリングヒーター、回生ブレーキが標準装備されている。トランク容量は249L。 その他の装備としては、ブレンボ製ブレーキ、19インチのアルミホイール、10.25インチのタッチスクリーンと2つの7.0インチ・ディスプレイ、デュアルゾーン・クライメートコントロール、アンドロイド・オートおよびアップル・カープレイ、360度カメラ、8スピーカーのBOSE製オーディオシステムなどがある。
ゲームから影響受けた新世代のデザイン
ボディサイズは全長4535mm、全幅1913mm、全高1329mm、ホイールベース2690mm。車両重量は2110kg(ツインモーターのGTでは2210kg)。 当初は全長3960mmのMG TF(Fの発展型)の後継車として計画されたが、大容量バッテリーを搭載する必要性からホイールベースを拡大し、結果的にBMW Z4に近いサイズ感となった。 電動格納ルーフを備えた2シーター・コンバーチブルであり、エンジンがないことも手伝って、広くゆったりとしたキャビンを持つ。バッテリーは「スケートボード」の原理でシャシー内に配置されている。 エクステリアとインテリアのデザインは、英ロンドンの拠点が手掛けた。いずれも現代のゲームトレンドから影響を受けているという。スーパーカーのようなシザードアや矢印型のリアライトが特徴的だ。 ロンドンでデザイン責任者を務めるカール・ゴッサム氏は、従来のMGよりもサイズが大きくなったことを認めつつも、「新世代のスポーツカー・ドライバーに向けた、まったく新しいロードスターを生み出すことができた」と自信を見せている。
英国では大注目?
現在のMGはハッチバックやSUVを主力とするが、サイバースターを起点にスポーツモデルを増やしていく姿勢も見せている。 MG英国部門の営業責任者であるガイ・ピゴウナキス氏は以前、サイバースターの購入希望者が「殺到している」と語っていた。英国におけるブランド認知度は高く、特に高齢の消費者からの反響は「まったく驚異的」であるという。 「MGという名称に深い愛着を持つ顧客層がいることは明らかです」 MGの英国販売はここ数年好調で、2022年には5万1000台以上を達成した。国内のディーラー数はまもなく約150店舗に達する。久々のスポーツカー投入により、市場はさらに沸き立つだろう。
スティーブ・クロプリー(執筆) 林汰久也(翻訳)