「苦しい環境から逃げるようだから嫌だった」止まらない山川穂高批判で思い出される有名選手の”事件”
福岡ソフトバンクホークスに移籍した山川穂高(32)へのバッシングが止まらない。 1月5日には球団の王貞治会長(83)が仕事始めに取材に応じ、山川について言及。 【体操界の女王とも…写真あり】「カネもらいに来たの?」巨人・坂本勇人「裏切りのベッド写真」 「いろいろと批判をいただきましたけど、我々としてはやはり、野球界で生きていける力を持ってる人がその世界で生きられないような世界を作っちゃいけないと思う。かなり社会的な制裁を受けて、本人もかなり反省していることですし、それを挽回するチャンスを与えてやるべきだと思います」 そう持論を述べたが、SNSでは、 《王さんが人格者なのはわかるが、今回はKYっぽいと思う》 《本当に世間の常識とズレている!》 などと批判が殺到した。さらに、山川のFA移籍に伴う埼玉西武ライオンズへの人的補償を巡り、一時移籍が報じられた和田毅(42)は、「ベテランをないがしろにする球団の被害者」と同情され、実際に移籍が決まった甲斐野央(27)は、「誤報の犠牲者」と同情を集めた。これも元はといえば、山川の移籍に端を発していることもあり、ホークスファンからの風当たりも強くなっている。 「日本プロ野球界の象徴でもある王会長にまで批判が集まったというのは、ホークス関係者にしてみればかなりショックだと思います。確かに王会長が仰ったように、山川はすでに社会的制裁を受けましたが、西武ファンはいまだに山川の去り方に納得していません。 西武は女性問題を起こした山川を解雇せずに、挽回するチャンスを与えオファーも出した。それなのに、西武を袖にして、より高額で契約してくれるホークスを選んだとファンは思っています」(スポーツ紙記者) それにも増して世間が納得していないのが、”性加害疑惑”のあった人物を高待遇で迎えたという点だ。 「山川は最終的に不起訴処分になったとはいえ、一定の責任はあります。それに対し、ソフトバンクは4年総額16億円という高待遇で迎え入れたのです。これではファンでなくても、世間はなかなか納得してくれません」(前出・記者) プロ野球の長い歴史の中には、かつて山川と似たケースで一度チームを解雇されたものの、数年後、NPBに復帰し成功を収めた選手がいる。 横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ)のエース格として活躍していた中山裕章投手だ。彼は’91年11月、婚約者がいながら2人の女児に対する強制わいせつ容疑で逮捕された。本人も罪を認めたが、その後、被害者家族との示談が成立したことで不起訴処分となった。その後、大洋は中山を解雇。世間も球団の決断を支持した。 ’92年1月、中山は報道陣の前で記者会見を開き、あらためてファンや球団関係者に謝罪し、 「本心では野球がしたい」 と、思いを語っている。 「チームを解雇になったことで、同年2月にMLBから中山への身分照会の通知がNPBに届きました。メジャー移籍の可能性も出ていましたが、中山は当時、『週刊現代』の取材に対し、《海外に行くのは苦しい環境から逃げるようだから嫌だ。いくら批判を浴びても、日本で修行をして厳しい声に耐えていきたい》などと回答しています」(野球雑誌記者) 中山は寺で数週間の修行ののち、その年の4月に運送会社に就職した。 「元来、寡黙で真面目な性格ですから、黙々と仕事に取り組んでいたそうです。その間、野球に関わるすべての番組を観ることもなかったそうですが、社内の野球チームから誘われたことがきっかけで再び練習に取り組むようになりました」(前出・記者) そんな中山に対し、横浜市の財界や、地元の高知県などから、球界復帰を願う声が徐々に上がるようになった。「中山裕章君の復帰を願う市民の会」が結成され、’93年1月7日から球界復帰を嘆願する署名運動を開始。同月28日までに横浜市や高知県などを中心に約10万人分の署名が集まったという。 その結果、’93年12月、中日が打撃投手として1年契約を結び、’94年6月には契約金なし、年俸800万円という条件で正式に選手契約を結んだ。 「発表された途端、球団や親会社の中日新聞には抗議の電話が殺到しました。試合に復帰しテレビ中継などで彼が登板しても、解説者はまるで腫れ物に触るように復帰への経緯や人柄について触れることはありませんでした。被害者のいる事件だったので、テレビ局が極力配慮したと言われています」(民放スポーツ番組制作関係者) 中山は中日で中継ぎとして8年間の現役生活を送り、’02年に台湾プロ野球に渡り、’03年シーズン終了後に現役引退。その直後に長男が誕生している。’04年に『週刊アサヒ芸能』の取材を受けた中山は、「自分が子供を作っても良いのか…」という不安があったことや、懺悔の思いを語っている。 一方の山川は、自身の起こした問題に関してファンや世間に対しての説明や思いを語ることはほとんどないままだ。 「中山は一度球界を去り、一から社会人として再スタートを切り社会奉仕もしています。戻ってきた時も批判は承知の上で、そこから逃げずにマスコミにもファンにも真摯に対応し続けました。山川にそこまでの覚悟があるのでしょうか。今シーズン始まると、当然、批判を浴びるでしょう。果たして、それに耐えて活躍できるのか……」(プロ野球関係者) 山川の野球人生は少なくとも4年は残されている。今後、ファンにどのような姿を見せてくれるのだろう。
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