野球にはいろんな「神様」がいる【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第133回
2021年には川端選手も、それに迫る30安打を記録しています(89打席)。川端選手も真中さんも、スタメンとしてバリバリ活躍していた頃は、シュアなバッティングで次々と安打を生み出していました。真中さんは1999年に打率3割を記録。川端選手も2015年に首位打者と最多安打のタイトルを獲得するなど、ふたりとも球界を代表する選手でした。 川端選手はスタメンの座を若手に譲った後も、その衰えないバッティング技術で安打を量産。チームの勝利に貢献するその姿は、まさに神様の名にふさわしいですね。 「代打の神様」は今シーズンも活躍してくれましたが、後輩の手本になるような、熱心に練習に取り組む姿も評価されているとか。代打は試合のどこで出るかわかりませんし、そもそも出場機会がないかもしれない。そんな中で黙々と練習を続け、打席に立った時は結果を出す。まさにプロフェッショナルの鑑ですよね。 代打の貢献度は、打率や安打数では測れないものがあります。勝負強さが魅力の川端選手には、ぜひ来シーズンも活躍してほしいです。 そして、ヤクルトの神様といえば「村神様」。2022年の流行語大賞にも選ばれたように、その名は全国区です。 56号の日本記録達成した2022シーズンに比べると、ここ2年は物足らないという声もあるようですが、今シーズンは「ボールが飛ばない」という声も多くある中で、33本塁打を放ってホームラン王争いを独走しているのは「さすが」のひと言につきます。 さて、そんな村上選手ですが、かねてより海外志望が噂されており、その去就が注目されています。田中将大投手と同じ代理人をつけた、というニュースも飛び込んできましたし、そろそろ移籍も現実味を帯びてきました。もし移籍が決まったらとても寂しいけれど、海外でも"村神教"の信者を獲得してほしいです。 世界を股にかけ、野球の神様に愛された大谷選手のような選手も、代打の神様も、村神様もいるのが野球のいいところ。八百万の神様がいる日本ならではとも言えるかもしれません。 たくさんの神様が一年でも多く活躍してくれることを祈って、今日は筆をおきたいと思います。それではまた来週。 構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作