【解説】記録的大雨で“氾濫発生”河川の状況は? 秋田・山形の被害状況
日テレNEWS NNN
降り続いた大雨の影響で、秋田県や山形県で河川の氾濫や土砂災害などの被害が起きています。河川の状況について、日本テレビ調査報道班の小野高弘解説委員に伝えてもらいます。
■大雨被害 「緊急安全確保」が出された地域も
日本テレビ・調査報道班 小野高弘解説委員 「秋田県と山形県など、25の川で氾濫が起きています。一級河川だと『子吉川』、そして『最上川』といった川、そして、その水系の川が氾濫しています。最上川の水位が26日時点でどのぐらい上がっているのかみてみます。最上川の戸沢村での状況。通常は広い河原がありますが、26日午後2時30分時点では、その河原が水にのみ込まれてしまっています」 ──一帯が茶色い水で覆われて冠水しているのがわかりますね。 小野解説委員 「そしてもう一つ、秋田県の子吉川、由利本荘市での状況です。川が氾濫をして、こちらも河原を水が覆ってしまっています」 「気になるのは、子吉川の水系の石沢川です。堤防の決壊が6か所で起きています。ですので、緊急の復旧工事が行われようとしています」 「そして、『緊急安全確保』というのが出ています。これは河川の氾濫や土砂災害の危険があって、警戒レベルが最も高いものです。午後5時現在どこに出ているのかというと、山形県新庄市の全域と酒田市、鶴岡市、戸沢村の一部に出ています。住んでいる人は周囲の状況をよく確認して、建物の2階以上に上がるとか、斜面から離れた場所などに避難してもらいたいと思います」 ──さらに雨が弱まったり、やんでも川の増水というのは遅れてやってきますから、厳重な注意を続けていただきたいと思います。
■川に流されたか 救助に向かった警察官2人が安否不明
小野解説委員 「けが人が出ている、また安否が不明な人もいます。山形県舟形町では土砂崩れで民家が巻き込まれ、80代の女性がけがをしました。同じ山形の新庄市では、警察官2人が安否不明になっています。2人は25日夜、救助要請を受けて現場に向かっていました。その途中、乗っていたパトカーが川に流されたとみられています。そして、26日午後になって、現場近くの下流付近で男性1人が心肺停止の状態で発見されました。警察で身元について調べています。秋田県では、湯沢市の道路工事の現場で土砂崩れが発生し、作業員1人の行方がわかっていません」 「孤立している地域もあります。道路が寸断してしまっていて、秋田県では県道の土砂崩れで上小阿仁村の八木沢集落が孤立状態になっています。山形県では道路が被災して酒田市、戸沢村で孤立している地域があるということです」 「また消防庁によると、山形県の舟形町で家屋が倒れて、1人が取り残されて助け出されました。大蔵村では、浸水した車両に3人が取り残され、助け出されて、うち2人が病院に運ばれたということです」 ──ここまで被害の状況をまとめて伝えましたが、停電や断水、ライフラインへの影響も出ているんですよね? 小野解説委員 「国土交通省によると、26日正午時点で、秋田県と山形県、合わせて約1670戸の断水が発生しています。停電は秋田県で約70戸、山形県で約3100戸が停電しています。最新の情報をぜひ、常に確認してください」 (7月26日午後5時ごろ放送『news every.』より)