パリジェンヌ姉妹が手がけるルームウエアブランド「BRAI」:おしゃれで環境に優しいパジャマを世界へ
ー「BRAI」のコンセプトについても教えてください。 「BRAI」がイメージするのは、田舎のファームハウスで家族と過ごす心温まる空間です。ブランドのDNAはパジャマにあり、快適さと美しさを兼ね備え、自宅での時間を心地よく過ごせるルームウエアです。 ポップなカラーパレットを身に纏うだけで気分が上がりますし、キャンディの包みを彷彿とさせる縁取りのディテールにも遊び心を加えています。 パジャマの上からコートを羽織れば外にも着ていけるような、デザイン性の高さもポイントです。着物風のガウンも体を締め付けることのない快適なルームウエアですし、人気のバニティバッグは滞在先のホテルでも自宅のように過ごせるようにという想いを込めてデザインしました。 陽気で明るく、日常に彩りを添える華やかな世界観を、すべてのアイテムを通して伝えたいと思っています。
ーこのようなポップなカラーパレットやモチーフといった、特徴的なデザインの着想源はどこからきていますか? カラフルなデザインは、私が「JUICY COUTURE」で過ごしたロサンジェルスの雰囲気やアメリカのキャンディからインスピレーションを受けました。 現在、私たちは年に2回の新作コレクションに加えて、カプセルコレクションも発表しています。以前「BALENCIAGA」でモチーフデザインに従事していたことから、その手法を今でもチームで活用し、多くのアイディアを集めて共有し、それらを組み合わせてデザインしています。 ヴィンテージの刺しゅう作品から動物モチーフのアイディアが浮かんだり、インテリアからカラーパレットのヒントを得たりすることもあります。ときには、私たちの子どもが動物モチーフのリクエストをしてくれることもあるんですよ。無茶なリクエストも多々あるんですが(笑)。子どものような自由な発想とクリエイティビティでデザインを考案しています。
ー生産におけるこだわりもあるんですよね。 「BRAI」では、GOTS認証(オーガニックの繊維製品の基準と認証マーク)を受けたオーガニックコットンを用い、毒性のないインクを使用しています。スイムウエアラインはリサイクル繊維を採用し、パッケージも100%リサイクル可能な包装紙で、可能な限り環境に配慮した生産に取り組んでいます。 また、「BRAI」のシグネチャーである動物や幾何学的なモチーフは、手彫りの木版を使って布にインクを押し付けていく、インドの伝統工芸であるブロックプリントで施しており、機械では出せないハンドメイドならではの優しい風合いを醸し出すのが特徴です。 ウール製のルームシューズは、フランスにある古い工場でハンドメイドで製造しています。私とローレンは2人そろって3児を抱える母親なので、子どもたちの未来のためにサステナブルな消費習慣に貢献したいと考えているんです。 ハンドメイドへのこだわりはデザインだけでなく、数よりも質を重視し、クリエイティビティを優先したいという想いから。環境に配慮しながら、伝統工芸を未来へと継承できる消費を目指しています。