〔米株式〕NYダウ続落、184ドル安=ナスダックは小動き(8日午前)
【ニューヨーク時事】8日午前のニューヨーク株式市場は、米長期金利上昇への警戒感が強い中を、続落している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時現在、前日終値比184.40ドル安の4万2343.96ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は1.91ポイント高の1万9491.59。 米長期金利の指標となる10年債利回りは一時4.7%超まで上昇。株式の相対的な割高感が意識された。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が8日、講演後の質疑応答で、FRBの利下げにもかかわらず長期金利が上昇傾向にあるのは、「財政赤字への懸念」が背景にあるとの見方を示したこともあり、全般に売りが先行している。 また、CNNテレビは8日、関係者の話として、トランプ次期米大統領が新たに導入を予定している関税に法的根拠を与えるため、国家経済緊急事態の宣言を検討していると報道。関税強化が景気に与える影響に改めて懸念が広がったことも、相場の重荷となっている。 米民間雇用サービス会社ADPが8日発表した2024年12月の全米雇用報告によると、非農業部門の民間就業者数は、前月比12万2000人増と、市場予想(ロイター通信調べ)の14万人増を下回った。一方で、米労働省が8日発表した新規失業保険申請は、前週比1万件減の20万1000件と、2週連続の改善。強弱まちまちの内容となり、相場の反応は限られている。 個別銘柄では、前日売り込まれたエヌビディアが上昇。一方でメルクやジョンソン・エンド・ジョンソンなどのヘルスケアが下落している。ダウ構成銘柄以外では、エヌビディアのフアン最高経営責任者(CEO)が量子コンピューターは15年から30年の範囲内で実用化されると発言したことを受け、リゲッティ・コンピューティングなどの量子コンピューター関連株が大幅安となっている。