「家電販売との連携も検討」 ノジマがVAIO子会社化、買収額112億円
ノジマは11日、パソコンメーカーのVAIO(長野県安曇野市)を子会社化すると発表した。VAIOと、VAIOの株式を保有するVJホールディングス3(VJHD3)の株式を取得。これにより、直接または間接的にVAIOの発行株式数の約93%を取得する。買収額は112億円。買収後のVAIOの事業方針と顧客との関係に変更はない。株式譲渡は来年1月6日の予定。 11日開催の取締役会で、日本産業パートナーズなどからVAIO関連の株式譲渡契約の締結を決議した。具体的には、ノジマが管理する特別目的会社が現金を対価としてVAIOの発行済株式数の約1.6%にあたる5000株と、VAIO株約91.4%を持つVJHD3の全株式を取得することに合意した。 VAIOは2014年にソニーから独立したPCメーカー。独立後は日本産業パートナーズ傘下で安曇野の工場を起点にPCなどの企画・開発・生産を手掛ながら経営再建を図ってきた。現在は法人向けノートPCを中心に事業を拡大しており、製品群を拡充しながら出荷も順調に伸ばしている。22年5月期の売上高は224億円だったが、24年5月期には421億円にまで拡大し、当期純利益も10億円近く計上している。 ノジマグループは、デジタル家電専門店の運営を中核に、キャリアショップ、インターネット、金融、海外などの各事業を展開。家電量販店事業に加え、キャリアショップをはじめとした通信事業を強化している。この先、法人向け通信事業を強化していく中でVAIOとの連携でさらにシナジー(相乗効果)が出せると判断した。 今後は、ブランド力と品質を維持しながらVAIOの事業を拡大していく考えで、「ノジマの法人事業基盤の強化とともに、一般向け家電販売との連携も検討していく」(ノジマ)としている。
電波新聞社 報道本部