街頭演説を終え、記者の質問に答える立憲民主党の野田佳彦代表＝15日午前、東京都八王子市（桐原正道撮影）

野党各党の党首は15日、東京都内などで第一声の街頭演説に臨み、自民党の派閥パーティー収入不記載事件を巡る姿勢を一斉に批判した。政策活動費の衆院選での使用について、石破茂首相の発言がぶれている点も新たな攻撃対象とした。 【表でみる】夕刊フジが作成した「落選危機にある大物・著名候補21人のリスト」 ■演説の大半を「裏金」批判に 「自民は裏金議員を裏から助ける。そして、裏の組織からの支援を受けている。裏、裏、裏の自民の政治文化を壊していこう」 立憲民主党の野田佳彦代表は第一声の場所に、不記載事件で自民を非公認になった前職の選挙区を選び、演説の大半を「裏金」批判に費やした。この日は不記載事件に関わった旧安倍派（清和政策研究会）幹部の選挙区のみを回り、「裏金」攻勢を強めた。 第一声では日本維新の会と共産党、国民民主党の党首も自民の「政治とカネ」を追及した。 ■野党同士の戦いにも 「裏金」批判で歩調を合わせる野党だが、巨大与党に対峙する選挙の構図は作れなかった。 最大の原因は、立民と共産などが進めてきた小選挙区での候補者調整が限定的になったためだ。共産は野田氏の保守的姿勢に原因があると主張しており、関係の再構築には時間がかかりそうだ。今回の選挙はそれぞれの党の底力が試されることになり、各党の勝敗は選挙後の野党の在り方を左右する。 維新の馬場伸幸代表は同日、記者団に「野党同士の戦いに勝ち抜けないのに天下の自民を倒せるわけがない。どの野党が勝ち抜くのかが大きなポイントになる」と語った。（千田恒弥）