好チーム・米子北は3位。技術面を修正、強い思いを力に変え、「選手権は借りを返せるように」
[8.2 総体準決勝 神村学園高 1-0米子北高 Jヴィレッジスタジアム] 好チーム・米子北高(鳥取)は、3位の悔しさを胸に進化を遂げる。インターハイ準決勝は、約1か月前のプレミアリーグWEST(7月7日、2-4)で敗れている神村学園高(鹿児島)とのリベンジマッチ。「(これまでの対戦で)スタートしてすぐやられた経験もあり、最初の入りで引いてしまうと、やっぱり神村さんのいいところが出ちゃう」(中村真吾監督)と米子北は立ち上がりからトップギアで試合に入り、主導権を握った。 【写真】「いとこがSixTONESジェシー」驚きの告白をしたパリ五輪サッカー日本代表FW 指揮官が「(スペースで受けた際の冷静さが欲しかったが、)しっかり身体張って、身体投げ出して、しっかりとゴールに向かったっていう姿勢は素晴らしく思います」と評したFW鈴木颯人主将(3年)とFW佐野聖也(3年)を中心に相手を押し込み、セットプレーの本数やシュート数を増やした。 また、的確なポジショニングから非常に速い出足で今大会4戦24発の神村学園封じ。スタンドの関係者からも米子北の戦いを賞賛する声が数多く聞こえていた。加えて、個の力でも対抗。右SB樋渡蓮音(3年)が「(FW名和田は)キープ力やシュートセンスが止まるんで、シュートを簡単に出せないように心がけました」と同サイドの相手エースFW名和田我空(3年)やMF大成健人(3年)相手に対人守備の強さを発揮していた。 今大会で印象的な動きを続けたCB熊野俊典(1年)やCB浜梶優大(2年)、MF湯月哲大(2年)の下級生たちを含め、相手に押し返された際にも各選手が粘り強く守って決定打を枠には打たせない。 だが、中村監督は「(神村学園は)ちょっと遅れたりとか、変に2人同じタイミングで奪いに行ったり、そういうのをやっぱりかわされたりとか、それだけじゃなくて、ちゃんと見て判断できてるなっていうのをやられた時にはすごく感じました」と振り返る。 0-0で試合を進めたが、後半13分に米子北は右サイドを相手MF大成に破られて失点。そこまで、1対1を止めるなど大成を封じていた樋渡は、「油断して縦取られて。そこは自分の実力不足かなと思いました」と唇を噛んだ。 終盤、相手の決定機をGK広川武寛(3年)が止めるなど1点差のまま食らいつき、また、カウンターからチャンスも。だが、1点が遠かった。チーム最多のシュート5本を放った鈴木は、「(立ち上がり、)チームとして勢いを持って入ることができたのはよかった。あそこで決めることできていれば。(最後まで)粘り強く守備の選手たちが守ってくれたんですけど、前が決めれなくて。プレミア、選手権は自分が決めて勝たせる試合を増やしていきたい」。 米子北は過去4大会のインターハイで準優勝1回、3位2回。日頃の練習やプレミアリーグを経て力をつけ、選手権で過去最高成績の8強超え、日本一に挑戦する。中村監督は「高校生ですので背負っちゃうところだけど、やっぱりもっと強くなって、メンタル的にもね。そういう思いを力に変えれるような精神的な強さを身につけることと、技術的にもやっぱりあまりにもちょっと奪われすぎて…奪うんだけど奪われるっていう、ああいうところはしっかり修正したいなと思います」と語った。 樋渡が「どんどん勝負強さだったり、点への執着が強くなったと思うんで。そこは今回の大会で強くなったと思います」と説明したように、今大会の5試合で成長した部分をさらに伸ばし、課題を改善して冬へ。「インターハイ、3位という結果で終わってしまったんで、選手権は借りを返せるように」(樋渡)。インターハイの悔しさを冬に必ず晴らす。