【専門家の目｜太田吉彰】高知MF西森吏玖の“ハンドスプリングスロー”が話題

高知MFのロングスローに日本代表OBが見解【写真：徳原隆元】

　第103回全国高校サッカー選手権の1回戦が12月29日に各会場で行われ、浦和駒場スタジアム第1試合では高知（高知）と専大北上（岩手）が激突した。高知が2-0で初戦を突破した試合で、MF西森吏玖の“ハンドスプリングスロー”が大きな話題を呼んでいる。元日本代表の太田吉彰氏も驚きを露わにした。 【実際の映像】「それなりの勇気も必要」　元日本代表も驚き…約50mの飛距離を出したハンドスプリングスローインの決定的瞬間 　2大会ぶり19回目の出場となった高知は、この日徹底的にロングスローを行う戦略を披露。前半4分には西森が助走を取って、前転しながらロングスローを放つ大技で観客を沸かせた。ゴール前まで約45から50メートル飛ばしたワンシーンについて太田氏も「大きな1つの武器になっていますよね」と感心している。 「身体能力が相当ないと難しいと思います。精度や飛距離が素晴らしいですね。完璧に狙った場所へ飛んで行っていると思いますし、ゴール前の相手DFもこれを警戒してなかなかタッチラインにクリアできなくなっているので、チームの大きな1つの武器ですよね」 　守備側としても、ロングスローでのピンチは防ぎたいところ。コーナーキックに加え、セットプレーとして脅威になっている。1回転するアクロバティックなプレーのため「怪我のリスクももちろんある中で、それなりの勇気も必要です。なかなかチャレンジしようとしてもできない。凄いですね。練習も日頃から相当やっているはずです。また更なるパワーアップに期待です」と太田氏は、“努力の賜物”である一連のプレーを絶賛していた。 [プロフィール] 太田吉彰（おおた・よしあき）／1983年6月11日生まれ、静岡県出身。ジュビロ磐田ユース―磐田―仙台―磐田。J1通算310試合36得点、J2通算39試合4得点。トップ下やFW、サイドハーフなど攻撃的なポジションをマルチにこなす鉄人として活躍した。2007年にはイビチャ・オシム監督が指揮する日本代表にも選出。2019年限りで現役を引退し、現在はサッカー指導者として子どもたちに自身の経験を伝える活動をしている。