深刻なバスドライバー不足に国の支援を要望、「外国人運転手や自動運転の実現を」、日本バス協会
政策講演や賀詞交歓会、国交副大臣など登壇
通常理事会では国土交通省総合政策局地域交通課課長の墳崎正俊氏が、2024年度および2023年度補正予算等の概要について講演。地域交通の政策として、連携・協働(共創)によって「リ・デザイン」(再構築)する取り組みを進めていることを説明した。 例えば、「令和5年度共創モデル実証運行事業」では、茨城県常陸太田市で重複運行していた路線バスとコミュニティバス、通院バス、スクールバスを路線バスに統合し、輸送に係るリソースの効率化と公的負担の抑制を実現。官民共創で自治体と交通事業者が黒字路線と赤字路線を一括運行する「エリア一括協定運行事業」では、2023年10月に第1号として松本市×アルピコ交通の取り組みが開始されているという。 通常理事会後の賀詞交歓会には、多数の国会議員が来場し、挨拶を述べた。 来賓挨拶で登壇した国土交通副大臣の國場幸之助氏は、年初の大災害や大事故で必要になった移動に対し、バス事業者が協力したことに感謝の意を表明すると同時に、能登半島地震では地域のバス事業者も運休を余儀なくされ、厳しい状況に置かれていると話した。そのうえで、バス事業者は「日本各地の日々の暮らしを支えるとともに、経済社会の活性化に貢献している」と述べ、「国土交通省としても課題となっている運転手不足に対する応援をし、賃上げなどの処遇改善に向けた取り組みを強化したい」と話した。 また、自民党バス議員連盟会長の逢沢一郎氏(衆議院議員)は、日本バス協会会長の清水氏が触れた、補助額算定方式の改善について「悪戦苦闘したが、新しい仕組みを作ることができた。小さな一歩だが、大きな一歩につながる大切なプロセスだった」と言及。バス事業者が(新しい補助額算定のもと)適切な運賃改定と経営の効率化によって賃上げをすることで「賃上げ税制を使える」とし、「バス業界の各社がどれくらい、賃上げ税制の恩恵に浴することができるか、そこまでの好循環を実現したい」と意欲を示した。 公明党代表の山口夏生氏(参議院議員)は、地方の物産品を貨物スペースを活用して輸送するバス事業者の新たな取り組みを紹介。バスにはまだ隠れた需要、生産性の向上の余地があることを実感する」と話し、今後のバス事業の発展に尽力する決意を述べた。 このほか、多くの国会議員が来場し、バス業界の全国の地域での重要性を示すとともに、困難な状況を乗り越えていくための支援を実現する決意表明や激励を送った。
トラベルボイス編集部