ドルトムントのアジア市場を担うキーパーソンを直撃「次のシンジを見つけ出したいと思っている」
■アジアのファンとより近い距離で
──2022年には東南アジアでもツアーを行いましたが、アジアという市場をどのように考えていますか? ベンジャミン:一番最初のきっかけはシンジ(香川真司)です。それまでは、“ドイツのクラブとして”という考え方が強かった。シンジがプレーするようになって、アジアにこれほど多くのファンがいるのかということに気づいて、そこからもっとファンに近づかないといけないということで、2014年にシンガポールのオフィスを立ち上げました。 プレミアリーグのクラブと少し違うのは、私たちがファンとより近い関係でいたいというのもありますが、クラブのロゴや選手の画像だけを貸してというよりも、コミュニティの一員でありたいという考えが根底にあります。アジア各地で定期的にパブリックビューイングのようなことやファンの集いをやったり、一緒に試合を見て一緒に歌うというところが、私たちと他のクラブとの少しの違いなのかなと思っています。 ──では、アジアの市場における日本の位置付けは? ベンジャミン:私たちにとっての日本は、重要なマーケットであり、これまでも色々な活動を行ってきました。ひとつは、ドルトムントサッカーアカデミーを数年前からやっていますが、すでに1000人近い子供たちが参加していて、ドルトムントのジャージを着て練習しています。それからシンジが在籍しているセレッソ大阪とも交流を続けていますし、ドイツ人学校にも私たちのスタッフを派遣して、そこでサッカーを教えたりもしています。我々にとっては関係が深く、重要なマーケットとなっています。 ジュリア:近年は日本人選手が所属していませんが、シンジが退団してからも日本のファンとの交流を続けていますし、スクールなどもやっています。日本には有望な選手がいることもわかっていますし、いつか次のシンジを見つけ出したいと思っています。それまではSNSなどを通じてファンとの関係性を続けていきたいと思っています。