中国、財政赤字率拡大へ 中央経済工作会議で来年の経済方針討議
【北京=三塚聖平】中国共産党と政府は11、12の両日、2025年の経済政策の基本方針を討議する中央経済工作会議を北京で開いた。中国国営中央テレビ(電子版)によると、会議では「より積極的な財政政策」を実施するとして、財政赤字率の拡大や、超長期特別国債の発行増を進める方針を示した。 中国経済を巡っては、長期化している不動産不況に起因する内需低迷に加え、トランプ次期米政権による対中関税の大幅引き上げといった圧力増が見込まれている。会議では「困難を正視しなければならない」と指摘。国内外のリスクを前に、景気対策を強化して中国経済を支える方針だ。 金融政策については「適度に緩和的」にすると掲げた。従来は中立的な「穏健」という表現を使っており、中国メディアなどによると約14年ぶりに方針転換を行った。適切な時期に預金準備率の引き下げといった金融緩和を行うとの方針を示した。 会議では「消費促進に力を入れ、投資効果を高め、国内需要を全方位的に拡大しなければならない」と指示した。需要低迷が続く中、消費喚起策が打ち出されるとみられる。不動産市場と株式市場の安定を進める方針も盛り込んだ。 中央経済工作会議では来年の経済成長率目標についても議論したもようだ。24年通年の成長率目標は「5%前後」で、市場関係者の間では25年も同水準の設定になるとの見方が広がっている。