2億円超「一番マグロ」、釣り上げた青森・大間の竹内正弘さん「勝負になりそうな良い魚」と確信
5日朝に行われた東京・豊洲市場の初競りで、276キロの青森県大間産のクロマグロが歴代2位の最高値となる2億700万円(1キロあたり75万円)で競り落とされた。大間産が最高値の「一番マグロ」となるのは14年連続。釣り上げた大間町の竹内正弘さん(73)は「本当に夢みたい。とんでもなくうれしい」と喜んだ。 【写真】釣り上げた大間町の竹内正弘さん
竹内さんは漁師歴約25年のベテラン。釣ったマグロに最高値がつくのは築地市場時代を含めて今回が8回目だ。2016~18年は3年連続で最高値となるなど、数多くの大物を水揚げしてきた。
今回は3日午前7時頃に出漁後、若手の乗組員3人と交代しながらはえ縄の仕掛けを見張った。寝たのは4~5時間という。一番マグロは4日午前8時頃、大間漁港から船で北に約40分進んだ津軽海峡沖でかかった。海面に浮かび上がる丸々とした形を一目見て「勝負になりそうな良い魚」と確信した。
70歳を超え、「あと何年マグロ漁ができるか」と不安もある。その分、釣り上げたマグロが高く評価された喜びはひとしおだ。竹内さんは「ちょっと高いけど、おいしく食べてもらえればありがたい」と話していた。
大間漁協によると、今年の初競りに向けて計127本の大間産クロマグロが出荷された。同漁協の小鷹勝敏組合長(85)は「2億円は予想外。14年連続の最高値も大間の漁師の努力だ」と声を弾ませた。