少ない年金で生活をしている父。娘の私も収入が少なく援助ができません。父は「生活保護」に頼ることができますか?
収入の少ない親族がいる方の中には「自分には扶養義務があるため、自分の収入から金銭的援助を行わなければいけないのか」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、金銭的援助を行いたい場合でも、自分の収入が少ないため援助ができないケースもあるでしょう。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの? 本記事では「扶養義務のある親族が援助できない場合でも、生活保護に頼ることは可能なのか」という点について解説します。
生活保護を受給できる条件とは
厚生労働省によると、生活保護は「世帯の収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費を比較して、収入が最低生活費に満たない場合」に受給できます。 さらに、「資産、能力そのほかあらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用する」ことも求められています。つまり、預貯金や働く能力なども生活費捻出のために費やすことが条件です。 収入と認定されるものには、扶養義務がある親族からの金銭的援助や年金も含まれています。そのため、生活保護を受給するには、上記のような収入も全て生活費に充てたうえで計算しなくてはいけません。 また、扶養義務がある親族からの金銭的援助は、生活保護よりも優先されます。 つまり「収入が最低生活費に満たない者が生活保護を申請したい場合、まずはその者の親族へ生活保護対象者への金銭的援助が求められる」ということです。親族からの金銭的援助を受けたうえで生活保護の要否が判断されるため、注意しましょう。
親族が扶養できない場合は生活保護を受けられる?
扶養義務のある親族がいる場合は、生活保護対象者への金銭的援助が求められます。 しかし、扶養義務のある親族に金銭的な余裕がなく、生活保護対象者への援助が難しい場合もあるでしょう。結論からいうと、そういった場合でも、生活保護を受けられる可能性はあるでしょう。 厚生労働省は「扶養義務のある親族による扶養の可否は、生活保護の要否の判定に影響を及ぼすものではない」としています。そのため、扶養義務のある親族も生活が困窮していて援助できない場合は、金銭的援助を断ることは可能です。 また、扶養義務がある親族の経済状況などから「金銭的援助をできない可能性がある」と判断された場合も、基本的には金銭的援助を求められることはないとされています。 以上の理由から、金銭的援助を断った場合でも生活保護を受けられる可能性は高いです。