鹿児島・沖縄線は正常化へ 遅速台風、一部に影響残る 奄美群島のダイヤ
台風10号の影響で乱れていた奄美群島関係の海空のダイヤは30日、正常化に向かい始めた。31日には鹿児島―奄美―沖縄航路の下り定期船が各島に寄港し、鹿児島、沖縄との空路も通常ダイヤに戻る見込み。一方、台風は遠ざかったが動きが遅く進路も定まらないため、一部に影響が残りそうだ。 台風は30日未明から朝にかけて九州北部を横断し、瀬戸内海に出た。暴風域はなくなったが、関東や東海、近畿でも断続的に大雨となった。 30日の奄美群島関係の空路は鹿児島発を中心に日本航空(JAL)グルーブで約30便が欠航。一部路線で臨時便が飛んだ。大阪(伊丹)―奄美、東京(羽田)―奄美は本土側の台風の影響で、発着が遅れた。 奄美群島外に向かう30日の各路線は、ほとんどが満席。奄美市笠利町の奄美空港は首都圏や関西圏から来島していた観光客や帰省客で、航空各社の手続きカウンターに列ができた。空席待ちで、呼び出しを待つ人の姿も見られた。 東京都大田区の秋井朋代さん(37)は8月19~27日の日程で、小学生の子ども2人と奄美市の実家に帰省。首都圏との空路は29日に再開されたが、直行便は30日まで満席。伊丹経由に切り替え、チケットを手にすることができた。 しかし搭乗予定の伊丹便は台風による機材繰りの影響で、2時間半遅れ。当初のチケットでは乗り換えができず、大雨で運航取りやめとなった新幹線の代替輸送を担うJAL臨時便(伊丹―羽田)へさらに切り替えた。 「来週は子どもたちの新学期。一時はどうなるかと思ったけど、何とかなってほっとした。しかし、何度もチケットを切り替えたためか、飛行機代は計画の2倍。それでも実家に泊まることができた私たちはいいほうだと思う。ホテルで滞在せざるを得なかった観光客は相当な出費で大変でしょうね」 スカイマークの鹿児島経由便で中部国際空港へ向かい、三重県四日市市の自宅に戻るという瀬戸内町出身の女性は、空席待ち。「取りあえず鹿児島に行って、きょうは鹿児島市のホテルに泊まれれば。そこまで行けば、31日には何とかなるでしょう」 奄美群島関係の空路は31日、JAL鹿児島―奄美の第1便が欠航。JAL伊丹線は台風の影響が出る可能性があるとして、ホームページなどでの確認を促している。物流分野では、全国的な荒天の影響で、一部地域宛て荷物の遅配や引き受け中止が続いている。 奄美群島への下り定期船は27日から欠航。小売店では生鮮食料品を中心に空き棚が目立つ。奄美市名瀬のコンビニの中には、「船便欠航のため」との張り紙を出し30日の営業を休止した店舗もあった。鹿児島からの下り定期船は若干の遅れが出るものの、31日に各島を経由し、沖縄へ向かう。上り定期船は通常運航で、夜には鹿児島からの臨時便が名瀬に寄港予定。喜界航路と十島航路は鹿児島31日発から再開する予定だ。