高校生が徳之島の魅力発信 開発商品を東京で試食販売 島みかんドリングなど
鹿児島県徳之島町の県立徳之島高校は28日、東京都中央区にある全国離島のアンテナショップ、離島百貨店で生徒たちが地元食材などを使った商品を試食販売する「徳之島フェア」を開催した。離島の高校生が同アンテナショップでフェアを開いたのは初めてで、島出身者やファンらが大勢詰め掛け、試食や買い物を通じて生徒たちと交流した。 徳之島高校の生徒たちは、地域課題を主題とする「総合的な探究の時間」で島の食材を使った商品開発を行っている。フェアは、島外での学びの場を生徒たちに提供したいという同校の希望を知った一般社団法人離島百貨店の協力で実現した。 今回は生徒会役員の3人が島から商品を携えて上京。島のヨモギを使ったヨモギ餅「よもぎもっち」、島のかんきつ類シークニンを使用した飲料「島みかんドリンク」、サトウキビを使ったコーラ「茜空のときめきコーラ」など10商品を屋台で出品。出身者や徳之島ファンらが次から次へと訪れ、生徒たちの熱心な商品の説明を聞いて購入し、オープンから3時間ほどで人気商品はほぼ完売した。 同校の卒業生という神奈川県相模原市在住の中野ひろ枝さん(56)は、「SNS(インターネット交流サイト)で知って来た。島の特産を使ったおいしそうなものばかりで楽しかった」と笑顔。 生徒会長で2年の森太陽さん(17)は「都会の人々に自分の言葉で島の魅力を発信できる機会はないのでうれしかった」と話した。 本田誠教頭(52)は「島外の人と実際に交流することで、モノの終着点である人をいかに喜ばせられるかが大切なことを体験してほしかった。離島として距離が離れていてもそうした商品の開発や販売が可能なことを学んでほしい」と語った。