65歳以降は「持ち家」を手放すべき?年金月額15万円の場合「持ち家」「賃貸」どちらが得か
年金を受け取りはじめる65歳以降、住居を持ち家とすべきか賃貸とすべきか、悩みはじめる方も少なくないようです。老後、収入が限られた中でより安定した生活を送ろうと考えると、仕方のない話でもあります。 そこで、年金月額15万円の方を想定して、持ち家と賃貸、どちらにすべきか考えていきます。
月々の支出を抑えるなら持ち家の方がよい
単に「月々の支出を抑えるだけ」という観点であれば、持ち家の方がいいでしょう。総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要」によれば、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の場合、2022年の月々の住居費は消費支出23万6696円のうち6.6%、額にしておよそ1万5621円です。65歳以上の単身無職世帯では、消費支出14万3139円のうち8.9%で、およそ1万2739円です。 それに対して、総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」によれば、賃貸における2018年の1ヶ月当たりの家賃は5万5675円であることが分かりました。 これらの統計を見る限り、「単に月の支出を抑えていく方が得」と考えるのであれば、賃貸より持ち家の方が得であるといえるでしょう。特に年金月額が15万円だと考えると、5万円を超える家賃は決して安くないといえます。 もちろん、「固定資産税が非常に高い」「築年数が古く、維持修繕の必要となる頻度が高すぎる」など特殊な事情がない限り、基本的に「金銭的な支出を低く抑えたい」という目的で持ち家を手放すことはおすすめできません。
自由度の高さなら持ち家がよい
また、自由度の高さも考えると、持ち家の方が賃貸よりいいと考えられます。お金こそかかりますが、持ち家なら自由にリフォームできます。「足腰が悪くなってきたから、バリアフリー化を進めたい」と思っても、賃貸物件では自由に行うことができません。そういった場合、別の賃貸物件に引っ越すことになるでしょう。 しかし、引っ越しをすると現物件からの退去費用の他、敷金や礼金に加え、引っ越し業者に払うお金も含めると、リフォームするより費用が高くなる可能性もあります。将来的な自由度の観点から見ても、持ち家は安易に手放すべきではないでしょう。