<咲き誇れ!センバツ広陵>正しい走り方で瞬発力UP! アメフト選手のノウハウ 自主練習でも継続して実践 /広島
今春のセンバツで4回目の優勝を狙う広陵の選手たちは昨年末から1月にかけて、アメリカンフットボールの選手から体の使い方や走り方を学んだ。守備や走塁の際に短い距離を走る野球とアメフトの体の使い方に共通点があると考えた野球部の中井惇一部長が企画した。選手たちは習得した技術を普段の走塁練習に生かしている。【武市智菜実】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 講師として招かれたのは、社会人チームなどで活躍した栗原嵩さん(36)。さまざまな学校を訪れ、トレーニング方法を指導している様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」で紹介している。 栗原さんは23年12月末と1月末の2回、高校の室内練習場でチューブやミニハードルなどを使って、速いスタートを切る「スプリント」の練習や、着地してから次の動きに素早く移る「アジリティ」の練習を指導。選手たちは、ジャンプする際、体の重心を低くして着地するコツや、速い動きをするためには、地面に足が接している時間を短くすることが大事だといったアドバイスをもらった。また、走る時に足が後ろに流れる癖を指摘され、体の前で回転させるイメージで走るとスピードが上がると教わる選手もいた。 野球部で随一の俊足を誇る田村夏芽選手(2年)は、2月に入っても、全体練習後に、捕球するイメージを持ちながら、着地後いかに次の動きを速くできるかの基本動作を確認。走塁でも、体が浮かないように低く保ってスタートを切ることを心がけるようになり、「今まで意識していなかったところを教えてもらい、自分のスタートが変わった」と話した。 盗塁が得意な酒井綾希人選手(2年)は「動き出した時にどうキレを出すかなど、課題への助言をもらえて良かった」という。最近は「左足から強く蹴り出して、反動で走る」ことを意識している。 自主練習時間でも、選手たちは走り方の研究をしている。土居湊大(2年)、鮫島陽真(2年)、長江蔵之助(2年)の3選手は、長打の場面を想定し、ベースを蹴って加速しながら回る練習を繰り返していた。 中井部長は「今までがむしゃらに走っていたが、正しい走り方を教わり、今後の練習に生かしたい」と話した。