DH専任のMVPは史上初。だが、壁は高い “守備貢献なき”大谷翔平の可能性を重鎮記者が語る「オオタニは最高だ」
大谷翔平(ドジャース)に対する期待値は高まる一方だ。 なにせ、すこぶる好調だ。開幕当初こそ自己ワーストとなる40打席ノーアーチと「スランプ」と指摘されるほどに低調なパフォーマンスが続いたが、徐々に復調。現地時間5月10日のパドレス戦終了時点で、打率.359、11本塁打、27打点、出塁率.427、OPS1.106と軒並みハイアベレージをマークしている。 【動画】MLB公式もクローズアップ! 大谷の妻・真美子さんのガッツポーズシーン 右肘側副靭帯の損傷による手術を執行した影響から今季は打者専任。それでも、「非現実的」とも言われるここまでの図抜けた結果は、まさに圧巻の一語だ。となれば、必然的に論じられるのが、大谷にとって3度目となるMVP受賞の可能性だ。 早くも現地のベテラン記者も大谷の“戴冠”に興味を示す。米ニューヨークの日刊紙『New York Post』の重鎮であるジョン・ヘイマン記者は「前代未聞と言うべき111長打ペースを誇るショウヘイ・オオタニは単純に最高だ。あるスカウトは『センター方向への打球のパワーは史上最高だ』と評したが、おそらく投手として今年は休んでいることが影響しているのだろう」と分析。打撃で違いを生み出し続ける偉才を手放しにで褒めちぎっている。 もっとも、MVP受賞者予想は別にいる。ヘイマン記者は、こう続けている。 「だが、それでも私のMVPは、依然としてムーキー・ベッツだ。というのも、きっちりショートをこなしながらオオタニに追随する打撃成績を上げているからだ。今のオオタニの他にMVPがいるとすれば、少なくとも今年は守備のユーティリティーさで勝る選手だ」 ちなみに米スポーツ専門局『FOX Sports』のMVPオッズでも、今季から遊撃手に本格コンバートされたベッツが大谷を上回る。前者が+150なのに対し、後者は+410。DHで打撃専任となっている二刀流スターよりも、守備でも異彩を放つカリスマが評価されている印象だ。 守備の貢献度がないフルタイムでDHを務める選手がMVP受賞となれば、史上初の快挙。そんな数多の強打者たちでも成し得なかった偉業を大谷が果たせるかは、実に興味深い。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]