愛知「月給制忍者」に応募殺到 外国からも応募で倍率39倍
国内外の235人応募 倍率約39倍
月給制の忍者を6人募集します―。このように愛知県が出した求人告知に対し、国内外の235人から応募が殺到。倍率約39倍となり、話題になった。同県の観光PR隊「徳川家康と服部半蔵忍者隊」の2代目メンバー募集で30日まで常滑市の中部国際空港(セントレア)内ホールなどで最終オーディションを開催。最終選考に残った24人が特技のアクロバットや忍者になる夢などを語り自己アピールした。審査結果は4月上旬に発表され、5月上旬に新メンバー披露となる見込み。
2代目メンバーは月給制で広告代理店に所属に
忍者隊は、同県岡崎市出身で徳川家康に仕えた忍者・服部半蔵らにふんしたグループ。1582年の本能寺の変で織田信長が討たれた時、家康一行も命を狙われたが、無事に岡崎城に帰還。その時、家康を守り通したのが、半蔵ひきいる伊賀忍者だったとされる。 このような愛知県と忍者との関わりや、外国人観光客に忍者が人気ということを踏まえ、昨年8月に半蔵とそれに仕えた忍者という設定の計6人が初代メンバーとして活動を始めた。 同隊事務局によると、初代メンバーは非常勤でアルバイトのような契約で、同隊が登場する場所や回数なども不定期だった。そんな中、観光客などからは「忍者隊に会える場所はどこなのか」という質問や、「定期的に忍者隊を見たい」という要望が多く寄せられた。 「メンバーにも腰を落ち着けて活動してもらおう」(事務局)と考え、2代目メンバーは月給制で、同隊運営を県から業務委託されている広告代理店に所属となる。
イギリスのメディアやアメリカのニュースネットワークも報道
最終オーディションに参加した地元愛知県西尾市出身で、劇団員として活動する山田瑛美さん(30)は「くノ一(=女忍者)を三重県伊賀市のテーマパークで見たときに、とってもかっこいいと感じた。忍者になれたらいろんなアクションを練習して、愛知県に魅力を持ってもらえるようにPRしたい」と目を輝かせた。 今回の求人は、大村秀章愛知県知事が忍者にふんした募集ポスターに注目が集まったことや、海外からも多数の応募があり、事務局は対応に追われた。全応募者235人中、海外はヨーロッパやアジア、中南米などの計200人で、国内応募者の5倍以上の数となった。理由は、県のプレスリリースを知ったフランスの通信社が世界に配信。イギリスのメディアやアメリカのニュースネットワークも「日本の愛知というところで忍者を募集している」などと報道し、注目を集めたという。 ところが、外国からの応募は想定外だったため、募集要項には「履歴書を郵送」と案内。これに外国の応募者から「郵送は間に合わない」など問い合わせが相次ぎ、急きょ英文案内をフェイスブックに掲載して、履歴書もメール受信可能とした。