「下級武士の日常体験ができる」 滋賀・彦根に残る足軽屋敷の活用探る勉強会
江戸時代、彦根城(滋賀県彦根市)や城下町を守る足軽が暮らした屋敷の活用や空き家問題を考える勉強会がこのほど、屋敷群が残る同市芹橋2丁目で開かれた。住民や学生らが参加し、足軽屋敷の特性を生かした再生アイデアを出し合った。 彦根藩の足軽は実質的に世襲制で、門構えがある一戸建ての屋敷を与えられた。幕末には城外堀の芹川近くに善利(せり)組などの計700軒があり、現在は芹橋2丁目などに約30軒が残る。外敵の見張り小屋だった辻番所や併設されている旧磯島家住宅など13軒が市の文化財指定を受けている。 勉強会は、空き家を活用して地方創生に取り組む大阪の会社が主催した。会場は、市が新たな文化財指定に向けて調査をしている足軽屋敷で、地元住民や学生、大学教員らが参加した。 三つのグループに分かれて意見交換し、学生のシェアハウスやeスポーツでの活用、外国人向けの長期宿泊施設などの活用案が挙がり、「あまり知られていない下級武士の日常体験ができ、日本人が培った所作を学ぶ場として活用しては」との意見も出た。