親子の会話、バトルになっていませんか? プロに聞く、子どもの話を「聴く力」を身につける方法とは。親の意見や理想はまずいったん脇に置く!
思うようにいかなくても、ダメな親ではありません!
Q:子どもに寄り添うこと(共感すること)が一番なのは理解しています。でも、自分に余裕がなくて感情的になって落ち込んでしまいます。 A:ずっと聴いて共感できる親なんていません。よき理解者でありたいという自分の気持ちは嘘じゃない。 毎日忙しくしていると、時間的な余裕のなさや、その時の体調や気分で子どもをきつく叱ってしまったり、子どもとの会話を適当に流してしまう…そんなことは誰にでもあることです。その度に後悔して落ち込んでしまうということは、裏を返せば、親であるあなたが、お子さんの気持ちを「受け止めたい」「理解したい」という想いがあるからこそ。 話を聴くという行為は、あり方とやり方があります。子どもに寄り添いたいという気持ちが「あり方」です。時間や気持ちの問題で、聴く余裕がない時もあります。それは「やり方」の話です。でも受け止めたい、理解したい、寄り添いたい、という「あり方」で普段から過ごしていれば、必ずそれは子どもに伝わります。 もし感情的に叱ってしまったり、子どもの意見を否定して喧嘩になってしまった日があっても、あまり自分を責めすぎないでください。子どもが大切な話をしたい時に、お母さん・お父さんに話をしてみようと思えるかどうかは、あなたのあり方の影響の方が大きいのです。もし、子どもの話を聴きたいのに聴けてないなと思ったら、自分の心の声を聴いてあげてほしい。あの時は叱ってしまったけど、自分が本当に大切にしたかったことは何なのか、何を大切にしたいから叱ったのか、自分のことを責める前に、自分で自分のことを聴けるといいのかな、と思います。 【Point】 ・感情的になってしまっても、子どもに寄り添いたいという気持ちが消えたわけではない ・ダメだなと思った自分は、何を大切にしたかったのか、自分の声を聴く
親子の会話が子どもの心を健やかに育む。お子さんにどんな気持ちで声をかけていますか?
日頃の会話で、「どんな言葉」をかけるのかはとても重要ですが、「どんな気持ち」で話をするのかはもっと大切です。毎日の生活の中でつい目につくのは、お子さんの苦手なことやできていないところが多くなりがちです。これも子どもを思えばこそ、なのですが。すると、つい「この子は○○ができていない子だ」「いつも○○がダメな子だ」という前提で声をかけてしまう。このどんな前提で子どもを見ているのか、は想像以上に子どもに大きな影響を与えます。 人は「みなした」ようになっていきます。お手伝いをするのが仮に週に1回だったとしても、週1回お手伝いをする度に「あなたはお手伝いができる優しい子だね」と言われるのと、お手伝いをしない日に毎日「少しくらいお手伝いしなさいよ」と言われるのと、どちらが将来お手伝いをする子になっていくでしょうか。親であるあなたが、子どもがどんな人間と思って接するのか。お手伝いをしないダメな子だと思って接するのか。ウチの子はダメで、あの家の子はできる、というのは、もしかしたら思い込みかもしれません。あなたの捉え方が違うだけかもしれません。 「聴く」ことは手段であって目的ではありません。だからこそ、親子でのコミュニケーションでも、まず最初にどんな気持ちでお子さんの目の前にいるかを大切にできるといいなと思っています。