「007」製作会社の一族とAmazonの関係が悪化し、新作映画の企画が一時停止状態と報じられる
「007」製作会社の一族とAmazonの関係が悪化し、新作映画の企画が一時停止状態と報じられる
「007」シリーズの新作企画が「一時停止」しているという衝撃的なニュースが入ってきた。ジェームズ・ボンドのキャラクターを管理する一族とAmazonとが「険悪な」こう着状態にあるという。 「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」画像・動画ギャラリー Wall Street Journalによると、「007」におけるクリエイティブ面の権利を保持し、ボンド役の選定を担当するバーバラ・ブロッコリと、2021年に84億5000万ドル(当時のレートで約9200億円)でMGMを買収し、「007」シリーズの公開に関する権利を取得したAmazonの関係が悪化し、同シリーズが身動きの取れない状態になっているという。 ブロッコリは、ボンド役選定に関して「アルゴリズム中心」のAmazonを信用しておらず、「適度なリスクを伴う本能的直観」に頼ることを推しているようだ。WSJによれば、ブロッコリは2006年公開の大ヒット作『007/カジノ・ロワイヤル』とそれに続く作品で、当時は比較的知名度の低かったダニエル・クレイグをボンド役に抜擢したが、Amazonは俳優の過去の演技や、同様の作品で成功しているかどうか、といった要因を基にリスクを計算することを望んでいる。Amazonはボンドのような主役に知名度の低い俳優を起用することに乗り気ではないようだ。 結果として、新作の脚本は出来上がっておらず、ボンド役も決まっていない状態だ。WSJでは、「友人らに対し、ブロッコリはAmazonに対する思いをこう表現している。“あいつらは本当にアホだ”」と伝えられている。 「007」の映画製作会社Eon Productionsは、ブロッコリからのコメントはないとしている。 現在のハリウッドでは、誰が次のボンド役になるのかが大きな疑問になっている。これまでのところ、『クレイヴン・ザ・ハンター』で主演を務めたアーロン・テイラー=ジョンソンが有力候補の1人とされており、英国のタブロイド紙The Sunが3月に報じたところによれば、テイラー=ジョンソンが次期ボンド役として「正式なオファー」を受けたという。なお、イドリス・エルバも候補としてしばしば話題に上がっている。 WSJによれば、ブロッコリは白人以外の俳優や同性愛者の俳優をボンド役に採用することにも抵抗はないが、ボンド役は必ず英国人俳優が演じるべきだと考えているそうだ。Amazonとしては、現代の世界におけるボンドの位置づけについて社内で議論しており、「危険なほど暴力的で女たらしの秘密諜報員を高く評価することは、今日の社会にとって最善かどうか」を検討しているようだ。 「007」の新作映画が実現した場合は、劇場で公開するとAmazonは約束している。現時点では、それははるか遠い未来のことのように思える。 007/スカイフォール 2012年 監督:サム・メンデス 出演:ダニエル・クレイグ、ジュディ・デンチ、ハビエル・バルデム、ほか U-NEXTの無料トライアルで観る ↗ 画像:EON Productions Limited
Wesley Yin-Poole