漫画家のちばてつやさん「悪書から文化の一つに」 文化勲章親授式
文化勲章の親授式が3日、皇居・宮殿「松の間」であり、漫画家のちばてつやさんら受章者7人が出席し、天皇陛下から一人ひとりに勲章が手渡された。 【写真】文化勲章=2024年11月3日午前9時54分、皇居・宮殿「松の間」、上田幸一撮影 天皇陛下は「長年努力を重ね、大きな業績をおさめ、文化の向上に尽くされてきたことを誠に喜ばしく思う」と述べた。 ■漫画を燃やされ涙した手塚さん はかま姿のちばさんは、式後の記者会見で、かつて漫画が「悪書追放」の対象になったことを振り返った。漫画家の故・手塚治虫さんが、集められて燃やされた漫画に、「素晴らしいものなのに」と涙を流したと聞いたことを明かし、「(漫画は)悪書から文化の一つになった。この章は手塚(治虫)先生がうけるべきだ」と話した。 ■女性研究者にエール また、唯一の女性受章者となった環境工学者の中西準子さんは会見で「科学分野で女性の受章はものすごく少ない」と話し、女性研究者へ「ぜひ生活と研究の両立をがんばってほしい。必ずこれからは認めてもらえる」とエールを送った。 ほかに詩人・俳人・歌人の高橋睦郎さん、日本画家の田渕俊夫さん、チェロ奏者の堤剛さん、東京大名誉教授(細胞分子生物学)の廣川信隆さん、東京大・早稲田大名誉教授(商法学)の江頭憲治郎さんが受章し、式に出席した。(中田絢子、河崎優子)
朝日新聞社