かんぽ生命の不適切契約問題 日本郵政らが会見(全文4)情報感度を上げて対処すべきだった
実力に見合わない目標を課した責任は?
デモクラシータイムス:デモクラシータイムスの山田と申します。今お話を伺っていると、現場での不利益とか募集体制の悪さとか、そういう話、現場の話ばかりが聞こえてくるんですけども、この報告書の第5の「組織体制及び業務運営態勢に関する要因」の一番上に、営業目標の設定および配算の過程において現場の営業の実力に見合わない目標金額が課されていたとあります。これが一番大きな問題。こういうものがあるから現場が対応しなきゃならなくて、いろんな悪知恵を働かせてきたというふうにも考えられます。今、皆さんのお話を伺っていると、現場が何か悪さをしたというようなニュアンスで聞こえるんですけども、ここにあるのは、営業の実力に見合わない目標金額を課したというのはあなた方の責任ではないんですか。 長門さんは情報が上がってこなかったということで、現場の人に責任があるような話をされていますが、じゃあどうしてこんな営業目標になったのか。これはこの間の話でも、取締役会で決めて日本郵政の会議で了承を得るということで、最終的にはあなた方が決めたわけ。この営業目標に沿って株式の発行価格とか、まさに証券市場への影響がある、そういうものが決まっていくわけですよね。ということは、できもしない目標を掲げて投資家を欺いたということにもなりかねない話だと思います。ですから現場の話だけじゃなくて、皆さんの経営責任、少なくとも実力に見合わない目標金額を課したことについて、お1人ずつ、自分の責任、あるいはどうしてこんな目標を掲げたのか説明をしてください。 長門:まず私のほうからお答え申し上げます。繰り返しますが、現場に責任を一方的に押し付けるというような経営者は世界中どこにもいないので、そういうふうに聞こえたのであれば大変申し訳ないと思いますけれども、そういう意図はまったくないとまず申し上げておきます。
金融庁の検査、特別調査委の結果をしっかり見たい
それから目標の話ですけれども、これちょっとまた言い方を気を付けないと、また現場になんたらかんたらってなっちゃうかもしれないので申し上げますけれども、私ども2015年の11月4日に上場しました。3社同時上場です。そのあと現在の中期経営計画、3年計画、現在は第2年度ですけれども、発表しました。ここで連結ベースの、各社もあるんですけども、われわれの持株の見知からすると、連結ベースの収益目標、収益見込みというのを発表しておりまして、これはわれわれ、マーケットへのコミットメントであると考えてございます。 株価に反映してないぞと。これも大変申し訳なくて、株価自身はわれわれだけでは決定できません。われわれにいろいろ問題があるからマーケットの評判も悪くて株価が落ちているところもあるので、これも本当に申し訳ないと思ってますけれども、私どもだけでは決められないので、これは結果でこういう株価が出てくる。ただし、市場にはそういう決意で、市場へのコミットメントと思って数字を作ってございます。 いろいろ報道もあるし、本当に最終的な根本原因は今年の年末、金融庁の検査、特別調査会の、特別調査委員会の結果をしっかり見て、うかつに申し上げたくないなと思います。そこでしっかりまた総括させていただきますけれども、確かにこれだけ現場の悲鳴が聞こえてくると、数々の報道があると伺っておりますので、かなり厳しい個々の募集人、あるいは局に対して営業目標があったんだなとは感じておりますけれども、2点申し上げたいんですが、1つは、なかなかそれが大変だったので、今年度、前回の記者会見等々でもご報告申し上げましたけれども、かんぽ営業についての営業目標は落としたんですね。そういうことが1個ございます。