本格的なF1欧州ラウンドが開幕、各チームの大幅なアップデートで勢力図激変!?【スペインGP プレビュー】
このコースで速いマシンはどのサーキットでも速い
スペインGPの舞台となるのは、バルセロナ郊外にあるカタロニア・サーキット(正式名称はシルクィート・デ・バルセロナ・カタロニア=Circuit de Barcelona-Catalunya)。 長いストレートで最高速が340km/hに達する一方で、高速・中速・低速コーナーが複雑に組み合わされ、しかもアップダウンもあり、タイヤに厳しく、マシンの総合力が問われることから、「このコースで速いマシンはどのサーキットでも速い」と言われる。 天候は比較的安定しているが、海岸の近くにあるため風が強く吹き込みやすく、しばしばその不安定な風がドライバーを悩ませる。フリー走行で好調な走りをみせていても、予選で風向きが変わればマシンバランスをも変えてしまい、調子を崩す可能性もある。 また、今年のレースは2023年よりも3週間遅く行われるため、気温が高くなる可能性があり、タイヤのマネージメントも課題となりそうだ。 これまでレース中のオーバーテイクは難しいとされてきたが、エアロダイナミクスの進化とシケインの廃止により、2023年のレースでは追い越しが増加し、オーバーテイクが可能なサーキットとなっている。ただ、それでも予選順位がレースの勝敗を分ける大きなポイントとなるのは間違いはない。
ピレリの分析「タイヤにとっても最も技術的に厳しいコース」
昨年2023年のスペインGPでは、ポールポジションからスタートを決めたフェルスタッペン(レッドブル)がそのまま全周回で首位を維持し、最速ラップも決めて独走で優勝。レースを完璧に制する「グランドスラム」を演じた。 昨年のこの時期はレッドブルが圧倒的な速さを見せており、2番手以下に大差をつけても大きな驚きはなかったが、今年は昨年のような差がつくようなレースにはならないはずだ。 ■【参考】2023年F1第8戦スペインGP決勝 結果 1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)66周 2位 44 L.ハミルトン(メルセデス) +24.090s 3位 63 G.ラッセル(メルセデス) +32.389s 4位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+35.812s 5位 55 C.サインツ(フェラーリ) +45.698s 6位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+63.320s 7位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+64.127s 8位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+69.242s 9位 24 周冠宇(アルファロメオ・フェラーリ)+71.878s 10位 10 P.ガスリー(アルピーヌ・ルノー)+73.530s ・・・・・・・・・・・・・ 12位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)+75.416s 14位 21 N.デフリース(アルファタウリ・ホンダRBPT)+1周 ファステストラップ 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) タイヤを供給するピレリは「カタロニア・サーキットは車にとってもタイヤにとっても最も技術的に厳しいコースの1つです。そのため、最も硬い3つのコンパウンド、つまりハード=C1、ミディアム=C2、ソフト=C3を選択しました。ストレート以外にもありとあらゆるタイプのコーナーがあり、ターン3やメインストレートにつながるターン13と14の組み合わせなど、一部のコーナーは非常に高速で走行します。14 のコーナーのうち 9 つが右カーブであるため、特に左側のタイヤにかかる横方向の力が大きくなります。カタロニア・サーキットは厳しいコースであり、すべてのチームが不安を抱えています。戦略の面では2ストップが最も速いと予想されますが、デグラデーションが大きければ、昨年のレースではオーバーテイクが以前よりも容易であることが証明されたので、3ストップが速い可能もあります」と分析している。 さて2024年のスペインGPはどんなレースとなるのか。第10戦スペインGPは6月21日13時30分(日本時間20時30分)から始まるフリー走行で開幕、決勝は6月23日15時(日本時間22時)にスタートする。 ■2024年F1第10戦スペインGP タイムスケジュール フリー走行1回目:6月21日13時30分~14時30分(日本時間20時30分~213時30分) フリー走行2回目:6月21日17時~18時(日本時間24時~25時) フリー走行3回目:6月22日12時30分~13時30分(日本時間19時30分~20時30分) 予選:6月22日16時~17時(日本時間23時~24時) 決勝(66周):6月23日15時~(日本時間22時~)
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