東京都では第一子の保育料が無償化? 戸惑う隣接する他県の子育て世帯
2024年9月の東京都議会にて、東京都の小池百合子知事は、都独自の制度として「第1子の保育料無償化」を進める方針を明らかにしました。現時点で、国の制度としては、3歳から5歳までの保育料無償化および住民税非課税世帯を対象として2歳以下の無償化が実現しています。 仮に、この都独自の制度が実現すれば、都内在住で保育園児のいる世帯では費用負担の軽減につながります。 一方で、隣接する他県に住む世帯にとっては、恨めしい差を痛感することになることでしょう。いっそ東京に引っ越そうと思う方も多いかもしれません。少子化対策にむけた自治体独自の支援とその背景、個人の生活について考えてみましょう。 ▼「3人目3万円」に思わぬ落とし穴! 2024年12月に前倒しになった「児童手当拡充」の注意点
幼児教育・保育の無償化と各自治体の独自支援
今回の都知事の発言をニュースで知った、東京都に隣接する千葉県市川市に住む会社員Aさんは、夫と2歳長女、1歳次女の4人家族です。公立の保育園に入園できて喜んでいたものの、保育料や給食費、オムツ代など想定以上に費用が発生するため、何のために働いているのだろうと思うこともあるようです。 一般的には、世帯(父母)の住民税所得割額の合計額に基づく階層区分により、保育料が決定されます。共働きで世帯収入が上がるほど、保育料負担は大きくなる仕組みです。 2019年10月に始まった幼児教育・保育の無償化により3歳時から5歳児クラスの利用者負担は無料、給食費(副食費)のみ負担となりましたが、0歳児から2歳児クラスでの利用者負担は発生するのが現状です。 なお、第2子の保育料はおおよそ半額、第3子以降は無料となります。また、ひとり親世帯もしくは在宅障がい児(者)世帯に対しては、別途支援制度が適用される場合があります。 前述のAさんが住む市川市では、2023年10月より認可保育施設等の第2子以降の保育料無償化が始まりました。このように、国の「幼児教育・保育の無償化」を基盤として、各自治体が独自の支援制度を展開しています。