期待のキューバ人のデビュー戦の裏で本塁打ゼロの日本記録 今日にも達成
注目されている千葉ロッテのキューバから来た新外国人、デスパイネのデビュー戦の裏で、小さいが価値のある記録が達成されようとしている。THE PAGEでも、一度、紹介した岡田幸文外野手(29)の入団以来、本塁打ゼロの最長打席記録の更新だ。これまでの記録は1リーグ時代の1936年から47年まで東京セネタース(のちの東急フライヤーズ)でプレーした横沢七郎氏の1770打席で、岡田は、7月28日の時点で、入団以来通算1769打席本塁打がなく、その記録まで“マジック1”。早ければ、29日の日本ハム戦で、この珍記録を更新することになる。 奇しくも、この日は、救世主のデスパイネが、「4番・DH」でデビュー予定のため、一層、目立たぬ記録達成日となりそうな雰囲気で、球団も、地味な記録だけに花束贈呈などのイベントを一切予定していない。ただ、ある意味、スペシャリストを象徴するような価値ある記録だけに、球団では、この岡田の本塁打ゼロ記録更新を記念した限定Tシャツを売り出すことを決定。その準備が進んでいる。発売は、まだ先になるが、「入団以来本塁打ゼロの日本記録達成Tシャツ」は、コアなファンや、岡田自身にとっても嬉しいグッズになりそうだ。 「凄い記録かどうかは疑問ですが、将来プロ野球選手を夢見ている子供たちに『ホームランを打てなくともプロ野球選手になれるんだ』と思ってもらえれば、意味のある記録かもしれません。それが個性じゃないですかね。自分に求められているものは何か。自分の仕事を追及し続けてきた結果ですから」とは、岡田の記録に関するコメント。 現在、ロッテの外野争いは熾烈で上武大出身の2年目、加藤翔平が抜擢されるなどして岡田のスタメンでの出番は減っている。しかもDHスタートのデスパイネが、外野を守り始めれば、さらに競争は激しくなる。 それでも岡田は、「絶対にスタメンでなければダメだという意識はないんです。もらったチャンスで自分の役割を果たすこと。ゲームの流れの中で、そういうイメージしか抱いていない」という。ホームランはないが、足を生かしたシェアなバッティングと走塁、卓越した守備力が岡田の仕事。本塁打ゼロでも岡田が試合に出続けている理由がそこにある。