なぜか冷蔵庫にある通帳…「おまえは病気」と妻を責めるモラハラ夫 いまだ認知度が低い「ガスライティング」の実態
「ガスライティング」という言葉、耳にしたことがありますか。DV(ドメスティックバイオレンス)の一種で、相手を心理的にコントロールすることを目的に、「相手にうその情報を与える」「相手の言動を強く否定する」といった自己疑念を増幅させるために行う行為(心理的虐待)を指します。2018年にイギリスで流行語となり、一般的に知られるようになりました。 【画像】「うわ…生々しい…!」 これが「モラハラ夫」の特徴です! 今回は「恋人・夫婦仲相談所」所長である筆者が、「ガスライティング」がどういうものなのか、実例とともに紹介します。
名前の由来は「映画」
1944年に製作された「ガス燈」というアメリカ映画があります。主演はシャルル・ボワイエ、イングリッド・バーグマンという当時の人気俳優の共演です。 あらすじは、美しい妻を、夫がうそをついて追い詰めていくというもの。映画の中で、夫は妻の物忘れの激しさを指摘するのですが、実際には全て夫が仕組んだことでした。「わざと物を隠して、それを妻の物忘れのせいにする」といったことを繰り返して不安にさせ、家に閉じ込め、孤立させてコントロールするという恐ろしいストーリーです。こんな“悪魔夫”とどうして結婚したんだ? とハラハラしてしまう劇場型結婚サスペンスで、このタイトルが「ガスライティング」という名前の由来となりました。 映画では妻は救われますが、もし現実に、夫が(妻が)うそを重ねながら相手を追い詰めて支配下に置いてしまったらどうなるでしょうか。メンタルが壊れてしまうでしょう。 ガスライティングは、家庭内という密室で行われることから、立証が難しいのが現状です。イギリスで流行語になった後、2021年から韓国で有名人が被害を告発したり、2022年にはアメリカで「今年のワード」の一つに選ばれたりと、世界中で問題視されるようになりました。 しかし日本では、「モラハラ」という言葉は広まりましたが、ガスライティングはまだまだ認知度が低いです。「あなたが夫婦仲に悩む原因の一つではないか」として、夫婦仲相談所では警鐘を鳴らしています。