かつては世界最強も…キューバは「いい環境がない」 日ハム助っ人の危機感「日本はより真剣」【プレミア12】
アリエル・マルティネスが語った日本とキューバの違い
野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」はオープニングラウンドを終え、キューバ代表はグループBで1勝4敗、6位という成績で敗退、帰国した。チームの核となったのは、NPBに在籍していたり、その経験があったりする選手だ。そのうちの1人が、アリエル・マルティネス内野手(日本ハム)。かつては世界最強と呼ばれたキューバ代表の現状や、日本での経験を教えてくれた。(取材、文=THE ANSWER編集部、羽鳥慶太) 【画像】清宮幸太郎はマルティネスと…キューバNPB勢と交流した2ショット写真 2000年代までのキューバ代表は、文字通り世界最強だった。五輪では1992年のバルセロナ、1996年のアトランタ、2004年のアテネと3度の金メダル。2008年の北京五輪でも、決勝で韓国に敗れたものの銀メダル。ただその後は、国際大会へのプロ選手参加解禁という波に飲み込まれ、地位は相対的に下がる一方。特にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、2006年の第1回大会こそ決勝で日本と戦い準優勝したものの、その後は決勝に進めずにいる。 国際大会がアマチュア主体だった時代から、そのキューバ代表のライバルであり続けたのが日本だ。現在28歳のマルティネスは、キューバ北部の町、マタンサスの出身。同地のチームでキューバリーグにデビューし、2018年に育成選手として中日入り。その後支配下登録され、昨季からは日本ハムに移籍した。両国の野球の違いを、どのように感じているのだろうか。 「違いはとってもたくさんあると思う。日本の選手はより真剣だし、よりプロフェッショナルだし、よりハードワークする。だってハードワークすればコンディションが良くなり、その分お金も稼げるんだから。キューバでは練習の時間がとても短いんだ。野球自体は同じだと思うんだけど」。日本野球の象徴のように語られる練習量は、強さの鍵でもあると見ている。 「中日での5年間、練習ではいろんなことを学んだよ。体に対してもそうだし、身体能力に対してもそう。本当にキツかったけれどね」