腕時計の狙い目は“ちょっとギークな日本ブランドウォッチ”。宮本哲明さんの腕時計事情
東京・原宿でショールーム兼ショップ「ブランデット東京」を運営している宮本哲明さん。ショールームにお邪魔すると、洋服だけでなく、宮本さんがセレクトした家具やアートなどがずらりと並んでいた。 ▶︎すべての写真を見る そして今回の取材のために持ってきていただいた愛用時計は、厳選したとはいえ10本以上にも及ぶ。
「3年ほど前に外苑前のワタリウム美術館の地下中2階にある『ギークウォッチ トーキョー』でシチズンの「カオス」を購入してから、ユニークなデザインや機能を備えたいわゆる“ギークウォッチ”の沼にはまってしまったんです(笑)。 おかげでこの2~3年で、一気に時計のコレクションが増えました」。
なかでも特にお気に入りのモデル4本を見せていただくと、やはりそれぞれ個性のあるものばかり。ただし、宮本さんは見た目がユニーク、というだけでは満足できない性分だという。 「腕時計を時刻を確認するための道具というよりは、家具やアートと同じような感覚で捉えています。デザイナーの想いや哲学が込められたデザインに惹かれるんです」。
さらにラインナップを見ると、セイコーやシチズンなど日本ブランドの時計が多い印象。
「時計を選ぶ際、日本ブランドか海外ブランドかはあまり気にしていません。ただ、日本人デザイナーの繊細さや、日本の技術力は誇りに思いますし魅力を感じるので、ついつい手に取っているのかもしれません」。
そんな宮本さんに今回提案した一本は日本ブランド、クレドールの「ロコモティブ」。1979年に発売したオリジナルモデルを、現代の技術でアップデートしたものだ。 時計デザイナーのジェラルド・ジェンタ氏が実際に描いたスケッチを基に、当時の技術では実現できなかった意匠やディテールを忠実に再現。 ケースとブレスレットにはブライトチタンを採用、さらにケース厚は9mm以下に抑えることで、装着感も優れる。
「六角形のケースやベゼル、ビスのデザインが好みです。デザイナーのジェラルド・ジェンタ氏が『クレドールを牽引し、未来を担うモデルになってほしい』という想いを込めて、機関車をモチーフにデザインしたというストーリーにもグッときます。 存在感がありながらもケースサイズが大きすぎず手首に馴染むところもいいですね。普段はヴィンテージウォッチを手に入れることが多いですが、これはかなり惹かれます……」。 宮本さんはまだまだ時計の沼から抜け出せないようだ。 ブランデット東京 ディレクター 宮本哲明さん●ユナイテッドアローズに約11年勤務し、独立後にPR会社ミヤモトスパイスを創業。運営するショールーム兼ショップ「ブランデット東京」では自ら店頭に立つ。 干田哲平=写真
OCEANS編集部