卓球女子・和田なつきが金メダル「すごく幸せ」いじめを乗り越えて世界一の涙を流す【パリ・パラリンピック第9日】
「私は『いいことをすれば、いいことが返ってくる』と思っているので、大会の期間中もゴミが落ちていたら拾ったりしていました。それがネットインの1点にもつながるかもしれないし、(応援してくれる人に向けて)お辞儀をすれば、こんな子がいるんだと思って応援してくれる人もいるかもしれない。日本と同じことをしました」 和田の母は、「知的障害のある子は、人生の経験をさせてもらえる場が少ない。卓球は、娘にいろんなことを経験する場所を与えてくれた」と振り返る。和田も決勝戦を終えた後、「(卓球を始めて)自分に自信が持てるようになって、『私は私』という考えを持てるようになった」と話した。 試合中に怖い顔をしてしまうと、力が入ってミスが多くなるという。だからこそ、パリでは試合中に苦しくても笑うよう心がけた。世界一を導いたのは、卓球が与えてくれた笑顔だった。 (西岡千史)