韓国ラーメン各社「消費者発レシピ」で新製品…開発コスト削減の一石二鳥
【10月03日 KOREA WAVE】韓国のラーメン業界が「モディシューマー(modisumer)」のトレンドに素早く対応している。SNSで人気のレシピを商品化し、消費者の関心を集めている。 「モディシューマー」は「修正する(modify)」と「消費者(consumer)」を組み合わせた造語。消費者が自分の好みやスタイルでアレンジし、新しいものを作り出すことを意味する。韓国のインスタント麺各社は、新製品の開発費を削減できるうえ、マーケティング費用も節約できるため、このトレンドを積極的に取り入れている。 韓国食品大手「農心」は最近、カップ麺の新製品「辛ラーメントゥンバ 大カップ麺」を発売した。辛ラーメンに牛乳、チーズ、エビ、ベーコンなどを加えて作る人気のモディシューマーレシピ「辛ラーメントゥンバ」を商品化したものだ。 辛ラーメントゥンバのレシピは、2016年に本格的に話題となり、特有の辛くてクリーミーな味わいが消費者の間で広まった。 農心は、辛ラーメンの辛味をベースに生クリーム、チェダーチーズ、パルメザンチーズのまろやかな味を加え、辛くて濃厚な食感を再現。さらにキノコ、ニンニク、チンゲンサイなどの具材も加えた。 農心の関係者は「最近の消費者は、辛さの中にもさまざまな感覚的な経験を求める傾向がある。辛ラーメントゥンバは辛ラーメンのうまみ、まろやかで濃厚な風味、柔らかな食感を一度に楽しめる人気レシピだ」と話した。 ◇元祖は「ココ麺」 モディシューマーレシピの元祖は、2011年に白いスープのラーメンで大人気となった「八道」の「ココ麺」だ。テレビ番組でコメディアンのイ・ギョンギュが初めて紹介し、八道と協力して商品化された。1カ月で60億ウォンの売り上げを記録したこともある。 モディシューマーのブームが本格化したのは、2020年に農心が発売した「チャパグリ」がきっかけだ。2013年に放送されたバラエティー番組「パパ、どこ行くの?」で紹介されて人気を博したレシピが、2019年の映画「パラサイト~半地下の家族」で世界的に知られるようになった。 これを受け、農心は辛味の「アングリー・チャパグリ・大カップ」とオリジナル「チャパグリ・大カップ」の2種類を2020年に発売した。 また、三養食品の「カルボ・プルダックポックンミョン」も、消費者のレシピから大ヒットした商品だ。プルダックポックンミョンの発売初期には「あまりにも辛い」としてチーズや卵を加えて食べるレシピが多数登場した。「クリームソース」を混ぜるとおいしいという消費者のアイデアをヒントに、2017年末に国内限定で「カルボ・プルダックポックンミョン」が発売された。 この製品は発売3か月で3600万個が売れ、2018年5月に正式に発売されてから2年で国内累計販売1億個を突破した。現在、米国などではオリジナルのプルダックポックンミョンを超える人気を集めていると会社側は説明している。 ◇成功が保証されたレシピ オットゥギも昨年末「ヨルラーメン」にニンニク(韓国語でマヌル)とコショウを加えた「マヨルラーメン」を発売した。SNSでヨルラーメンにニンニク、コショウ、スンドゥブなどさまざまな具材を加えて食べる消費者が増え、彼らが主にニンニクやコショウを加えることに着目して開発したという。 食品業界関係者は「新製品開発はコストが負担になるうえ、巨費を投じても成功は難しい。だから“成功が保証されたレシピ”を採用して商品化する。消費者もなじみのある味だと感じるため、発売した際に注目を集めやすく、マーケティング費用も削減できる」と述べた。 農心、オットゥギ、三養食品の売上高に対する研究開発費(R&D費用)はいずれも1%を超えていない。昨年、農心は284億ウォンをR&D費用に支出し、売上高の0.8%を占めた。オットゥギは0.63%の182億ウォン、三養食品は0.48%の58億ウォンだった。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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