業界のコニサーがオススメする20代で乗っておくべき10台のクルマとは?「ロードスター」「空冷911」それとも…
フェラーリ308GTB/GTS/ディーノ308GT4
対象となる20代はごく少ないと思われるが「いずれはクラシック・スーパーカーの世界に足を踏み入れたい」と考える若い人もいるかもしれない。そんな野心家な若きエンスーにお勧めしたいのは、キャブレター時代のV8フェラーリである。 「308GTB/GTS」はやや高価だけど、4座席のディーノ/フェラーリ「308GT4」ならば若干リーズナブル。購入後のサービス体制もランボルギーニや、同じフェラーリのV12モデルよりは若干とっつきやすい。にもかかわらず、ホンモノのクラシック・スーパーカーにして、真正のクラシック・スポーツカーでもあることには太鼓判を押したい。 ステアリングやクラッチなどはかなり重めのセットで、大胆かつ繊細な操作が要求される。でも、重くて渋いスロットルを踏み込んで4基のキャブレターに巧くガソリンを送り込み、最上の吹け上がり感が味わえるようになったころには、ランボルギーニ「ミウラ」やフェラーリ「デイトナ」だって乗りこなせるスキルを得ていることだろう。
オースティン セブン
自身が大の戦前車好きである筆者にとって、じつは丸1世紀も前に誕生したこのモデルこそが「10選」の大本命。 「クラッシュボックス」と呼ばれ、シフトアップ&ダウンの双方でダブルクラッチを要求する完全ノンシンクロのトランスミッションも、エンジン始動時の点火時期や燃圧の調整なども、すべて上級のヴィンテージカーたちとまったく変わらない。 セブンを運転できるようになったなら、W.O.時代のベントレーでもブガッティでも操ることができる。また、このクルマで油まみれの「オイリーボーイ」となったころには、エンジンのオーバーホールを自宅のリビングで済ますくらいの整備スキルも、きっと身に付けていることだろう。 大丈夫。100年前のセブンであっても、パーツに関する心配は無用なのだ。
武田公実ノミカタ
内燃機関を搭載した自動車の行く末さえも不透明になってしまっているこのご時世で、しかもこれからクラシックカーの世界の門を叩こうなどという奇特な20歳代が、果たして存在するか否かは意見の分かれるところだろう。 でも、真にクラシックカーに憧れる若者がいるなら、ほんの少しの勇気を出して、階段を上ってみてほしいと切に願う。本当に好きになれたならば、クラシックカーは生涯にわたって続けられる大人の趣味なのだ。 まずは最初の愛車とともにさまざまなイベントなどに参加し、同好の士を見つける。あるいは、自動車趣味の指針となるメンテナンス工場と知り合うにも、まずはとっかかりとなる愛車があった方が望ましい。それは間違いのない、真理と思われるのである。
武田公実(TAKEDA Hiromi)
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