来年「8代目尾上菊五郎」を襲名する尾上菊之助 「(えとの)蛇ではないが大きく脱皮できるよう」と抱負 国立劇場初春公演の取材会で
歌舞伎俳優・尾上菊五郎、尾上菊之助らが9日、都内で、国立劇場主催の初春歌舞伎公演「彦山権現誓助剣(ひこさんごんげんちかいのすけだち)」(東京・初台の新国立劇場で1月5~27日)の取材会を行った。 東京では22年ぶりの通し上演で、あだ討ちの完結まで見せるのは58年ぶりというレアな公演。来年5月に8代目菊五郎を襲名する菊之助は「来年は年男。(えとの)蛇ではないが、大きく脱皮できるよう、お正月の舞台を華やかに力いっぱいつとめたい」と抱負を。主人公の毛谷村六助を初役で演じることには流行語大賞にもなった「ふてほど」を引用しつつ、「いい人過ぎるにも程がある、ような人物です」と分かりやすく説明した。 京極内匠には坂東彦三郎で「たった一人の悪なので、一心に悪を背負って、最後に皆さんがハッピーエンドになるような悪をつくっていきたい」ときっぱり。美しくも力強いヒロイン・お園を初めて演じる中村時蔵は「念願の役。何度も演じている父(中村萬壽)に教わります」と気合いをのぞかせた。 真柴久吉を演じる菊五郎は「ラストをどうするか、いまつくっているところ。言えないところもあるのでお楽しみに」と気になるコメント。一方でなかなか建て替えの見通しが立たない国立劇場(東京・三宅坂)については「耐震工事だけやれば再開できるんじゃないか。やっぱり三宅坂の方がいいよ」と願望を語っていた。
報知新聞社