戸塚純貴のムードメーカーとしての存在感 『虎に翼』の名演から『新宿野戦病院』で迷演へ
戸塚純貴に期待される”コメディリリーフ”としての役割
『新宿野戦病院』に話を戻そう。第10話で「聖まごころ病院」の面々が立ち向かうのは、未知の新種ウイルス・ルミナらしい……。戸塚が演じる人気ホスト・板垣凌介は海外旅行から帰国した際、これに感染していることが判明。日本人の感染者第一号になってしまうのだという。 『新宿野戦病院』はコミカルなドタバタ喜劇の体を取りながら、こちらもまた現代の社会問題を扱ってきた作品だ。私たちの誰もがコロナ禍で、人間の弱さをこれでもかというほど味わったのではないだろうか。あらすじからして、どうにも笑うに笑えないものがある……。同作の世界観において、板垣凌介は人々から、ひいては社会から、どのように扱われるのだろうか。 『虎に翼』の面々の『新宿野戦病院』における“迷演”の数々からして、やはり戸塚にも新たなコメディリリーフとしての役割を期待していたものだが、果たしてどうなることか。こちらでも、私たちの“声”の代弁者を体現するのかもしれない。いや、これこそがいまの俳優・戸塚純貴に期待されるものではないだろうか。
折田侑駿